2007/05/01

意味、還元主義、芸術

「意味を理解する」には、少なくとも二つの極端に還元的な捉え方がある。
一つは「意味」を話者の意図へ還元してしまい、意味を理解するとは話者の意図を理解することに他ならない、とするものである。
もう一つは、「意味」を受け取る側の解釈へと還元してしまう捉え方である。
「意味を理解する」とは単に受け取る側がそれを解釈するというだけのことだ、という訳である。
これらの捉え方に真面目にコミットする必要はないが、兎も角こういった極端が存在することを知っておくことは、評論上の詐欺に遭わない為に有意義だろう。
特に、「芸術の意味を理解する」とは上のような還元的な意味だと宣う御方の仰ることに耳を貸す必要は全く無い。
芸術についての書物の中にそういった記述を見つけたらすぐに本を閉じて窓から投げ捨ててしまっても構わない。
そういった捉え方は「芸術の意味」を全く以て無味乾燥にするだけのものに過ぎず、それ以上の何か取るに足るような意義は全く無い。
私の部屋の窓の外には最初の数ページだけ読んだ本がバラバラと散らばっていて、部屋の中に残っている本が非常に少ないのはどういった訳だろう。