2019/12/31

Les Paul ブリッジ交換

TOM のブリッジよ。
Les Paul のヤツ。

オリジナルでは ABR-1 が付いてた。
でも普通の ABR-1 はオクターブチューニングの幅が狭くて、私のギターの設定だと3弦がギリギリだったり。
或は使ってるうちにサドルのネジを固定しているワイヤーが共振するようになったりする。
なのでブリッジは GOTOH の幅広タイプの GE103B に交換してた。
ABR-1 自体は嫌いじゃないんだけど、でもゴリゴリ使うならナッシュビル系の方が安心感がある。

GOTOH のって、でも最初からサドルに溝入ってますやん?
サドルの真ん中に溝が切ってあるのだけれど、それだとピックアップのポールピースのピッチと弦ピッチがズレますやん?
私、アレがなんか嫌で、一旦サドルの上面を全部削って溝を消してから、ピックアップのポールピースの真ん中に弦が来るように溝切りをやり直してた。
そもそも Gibson の加工技術は他社に比べても優れているとは言い難いんで、ブリッジポストの中心が必ずしもネックの中心線の延長上に来ているとは限らないし。
それに多くの場合、サドルの真ん中に溝を切ると弦間が広過ぎて1弦がフレットから落ち易くなってしまったりする。
なのでどのみち溝の切り直しは必須。
一旦サドルの上面を削ってしまうので、上面の平の部分が大きくなり、その分、サドルに弦が接する長さが増える訳ですな。
そうすると、サドルのところで弦の分断が強まって、弦を弾いたときにブリッジからテールピースまでの間の弦の共振が小さくなる。
そうすると、全体的にほんの少しデッドな響きになる訳ですな。
あとサドルが低くなってるので、テールピースの設定によってはブリッジ本体にテールピース側の弦が微妙に当たることがあり、そうなると更に弦の共振が小さくなってデッド気味の響きになるばかりか稀にビビったりする。

因みにブリッジにタップ切ってイモネジでブリッジポストに固定しているのだけど、これも弦振動をボディに伝え易くなったり逆にボディの振動が弦に返ってきたりして、弦の金属的な響きは少しデッドになる傾向にある。
サスティーンは場合によって微妙に伸びたり縮んだりだけど、基本的にはそんなには変化しない。
ギター自体もそうだし、弦の種類とかテースピース高とかその他の部分の設定にもよる。
こうする利点は、弦を全部外したときにブリッジが落ちないというということと、弦高が勝手に変わらない(ネックの反りとか以外では)ということ、それからブリッジのポストと穴の間の遊びを無くせるのでオクターブチューニングが合わせ易くなること。
どれも微々たる利点でしかないのだけれど、なんか安心感がある。

まあ場合によってはデッドな方が良かったりもするのだろうけれど、このギターに関してはこのことで音が良くなる方向には働かなかった。
部品がカッチリしてればなんでも良いという訳じゃないし、ボディが鳴ればなんでも良いというものでもない。
まあデッドになるとはいえ音の本質に影響が出る程度ではないし、弾き手だけが感じるような微々たるものなんだけれども。

なので、ちょい前にオリジナルの ABR-1 (イモネジ付き)に戻してた。
でも弦がめっちゃ切れる。
そういや GOTOH に交換前の、最初に ABR-1 が付いてた頃も弦が切れたことがあった。
私は普段は殆ど弦を切ることがないのだけど、ABR-1 に戻して一ヶ月で2回切れた。
多分溝切りが微妙なところでうまく行ってないのだろうけど。
一回目切れたときに溝に軽くヤスリを当ててみたのだけど、結局また切れてしまっている。
まあ一旦ちゃんと溝切りをやり直せばいいのだろうけれど。
でも違うブリッジを試してみることにした。

つうことで交換計画。
取り敢えずナッシュビル系でいこうかと。
サドルに溝切ってないヤツがいい。
そうするとまず GOTOH は全滅。
GOTOH は安くていいのだけど、必ず溝が切ってある。
他は Schaller GTM-Ni か SCUD HK-120N か Tonepros TP-6N か。
Schaller はちょいお高いけど信頼と実績のヤツ。
めっちゃ昔、一時期使ってたこともある。
SCUD は安い。
Tonepros はその中間ぐらい。
この3つはサドル調整ネジを GOTOH みたいにナット留めじゃなくて裏からバネで留めてるタイプ。
バネ留めなんでナット留めに比べると構造的に共振の危険性は大きくなりそうだけど、今のところこのタイプで共振が起こったという話は聞いたことがないし、私自身も経験したこと無い。多分大丈夫。
因みにKTS からも溝切ってないヤツが出てるけど、チタンサドルなんよね・・・。

なんやかんや迷って、特に理由も無く Tonepros のにする。
多くの人達にとって Tonepros を選択する利点はブリッジポストにブリッジを固定できるということなんだろうけれど、私はどのみち自分でブリッジにタップ切ってイモネジで固定するようにするので、SCUD より幾らか多めに払うだけの利点は私には無いと言ってよさげ。
完全に気の迷い。

取り敢えず載せてみて、弦高を合わせて一旦イモネジを留め、オクターブを大体合わせて、弦がリアのポールピースの真ん中を通るように溝切りする。
サドルは多分亜鉛合金製。私は真鍮製が好きなんだけれども。
溝切りするときは、弦とサドルの接触面積を或程度確保し、かつそのどの1点にも力が集中しないようにしつつ、而も弦が浮いてビビリが発生しないように切るべし。
水平に真っ直ぐ溝切りしちゃうとテールピース側の角に圧が掛かってそこで弦が切れ易くなるので、ほんの少し斜めに丸みをつけつつ切るべし。
また溝が弦より広いと弦が動いて摩擦で切れ易くなるので、気を付けるべし。
溝が切れたら再び弦高、イモネジ留め、オクターブと調整して完了。

音的にも ABR-1 からほぼ変わらず。
ほんの少し硬さが出たかな、ぐらい。
1週間ぐらい使って、弦切れも今のところ無し。
まあ自分で良いように溝切りしてるので、多分大丈夫。

良し。

少し1弦側のテールピースを上げた。

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Soundhouse
GOTOH GE103B Nickel
GOTOH GE103B Nickel
Tonepros TP6-N
Tonepros TP6-N
SCUD HK-120N
SCUD HK-120N
Schaller GTM-Ni
Schaller GTM-Ni

2019/12/02

Seymour Duncan P-90 Stack の パラレル-スプリット-シリーズ 化

数日前に私の Les Paul のフロントピックアップを Seymour Duncan の P-90 Stack に載せ替えたのだけど。
説明書に「普通はパラレルで使こたらええよ。P-90 風の音が出るよ。お好みでシリーズにもできるけど。そっちはハムバッカー寄りやで。」的な感じで書いてあったので、パラレル接続にした。
それで音それ自体は使える音だし悪くはないのだけれど、でもやっぱ P-90 の音とは別物だった。

そのままでもよかったんだけど、やっぱもうちょい P-90 っぽくならんかと。
あと Duncan の謂う「ハムバッカー寄り」の音も気になる。
つうことで、取り敢えず DP3T(ON-ON-ON)のトグルスイッチ乗っけて、パラレル-スプリット(タップ)-シリーズ の切り替えができるようにした。
リアのトーンは使わないので、スイッチはリアトーンポットと交換で。
TOCOSの可変抵抗器が使えるようにザグリを拡張してあるので、ネジ部の高さ的に NKK の M-2020(電子部品屋で手に入る=安い)が使える。

本当は今のノブが使えて見た目が変わらない、ALPS のロータリースイッチが使いたかったのだけれど、それだとネジ部の高さが足りず、かといって更にザグリを拡張するのも気が引けたので止しておく。
或はムスタング(ラージブッシング )型のレバーがゴツくて良いかとも思ったんだけれど、ムスタングのON-ON-ONは普通では楽器屋でしか手に入らない(=高い)し、ネジ部が太いので穴を広げないと駄目なので却下。
一応 DigiKey とか Mouser では売ってるけど。6,000円 以上買わないと送料 2,000円 掛かるけど。
プッシュプルスイッチ付きポットという手もあるが、ソリッドシャフトのが無いのでどのみち今使ってるノブは使えないし、2接点しか無いので パラレル-スプリット-シリーズ のうちどれか一つができないので却下。

リアのトーンを外して、穴を一旦木で塞いで、φ6 で穴を空け直す。
スイッチをナットで固定してハンダ付けして完了。

で、弾いてみた。

スプリットの音が普通に P-90。
而も Gibson P-90 よりノイズ少なめ。
完全にシングルなんでハムノイズが乗らないではないけれども、少なめ。
音的に完全に Gibson P-90 と同じでは勿論ないけれども、「P-90 サウンド」と言ったときに求められる特徴的な力強さとキレがある音なので、出音を聞いて「ああ、これ P-90 やな」と言える。
普通に使える。
ハムバッカーのスプリットはビミョウなことが多いけれど、これは普通にメインで使える。
嬉しい誤算。
あと一番音が大きく感じられる。

シリーズにすると或一定の周波数以上ががグッと削られる感じ。
ミッド以下はそのままか、ほんの少し厚くなってるぐらいの感じ。
スプリットからスイッチで切り替えると、トーンポットを絞ったみたいな感覚になる。
まあこれをハムバッカーぽいと言えばそうとも言えるか。
ミッドレンジに P-90 フレーバーがあるハムバッカー、という感じか。
ミッド以下がスプリットに比べてあんまし変わらないので、音の感じはパラレルより寧ろシリーズの方が Gibson P-90 に近いように感じられる。
音量感は、ハイが削られる分スプリットより少し小さくなる感じ。
ノイズは非常に少ないけれど、パラレルと比較するとほんの少しだけ大きく感じられた。殆ど差は無いけど。

パラレルにすると音がガラッと変わる。
「シングルコイル」っぽい音。
ワイドレンジだけどローが控えめで低音弦もコモらず、パラレル特有のシャリ感もあり、歪ませてもクリーンな音。
これはこれで、なんだけど、P-90 ではない。
音量感はスプリットより小さくなり、シリーズより更に少し小さいぐらいの感じ。

つうことで、3ポジション共普通に使えるということが判った。
どれか一つでも使えなかったらプッシュプルスイッチ付きポットにでも交換しようかとも思ったけれど、全部使えてしまう・・・。

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Soundhouse
ESP Mustang ON-ON-ON SW
ESP Mustang ON-ON-ON S
Seymour Duncan STK-P1n P-90 Stack Neck
Seymour Duncan STK-P1n P-90 Stack Neck
ALLPARTS Push-Pull SW Long Thread 500k
ALLPARTS Push-Pull SW Long Thread 500k
Seymour Duncan STK-P1b P-90 Stack Bridge
Seymour Duncan STK-P1b P-90 Stack Bridge