2010/09/27

或語彙の欠落

最近CDを余り買わなくなったとはいえ、私の音楽ライブラリも、大量ではないにせよそこそこの量がある。
そこそこ色々聴いてきたつもりでもある。
然し、色々聴いたとはいえ、私の音楽的語彙にも色々欠落しているところがある。
単にその語彙を以て語られたものの中に私自身吸収すべきものを見いだせていない、そういう語彙も実際数多く残っているのだけど、一度は手にした筈の語彙が今では失われてしまったということもある。
例えば80年代のMTV的なポップ音楽など、昔よく耳にしてた筈だし、私の血肉の一部になってしまっていてもおかしくない。
聴けばその独特の浮ついた感じを思い出すことができるけれど、能動的にその感じを自分の中で再現することができないし、それを以て語ることも何故か困難を伴う。
単に真似るだけなら難無く真似て見せるが、それを自分のものとして使うことができない。
単に私の陰鬱な性質がその明るく浮ついた感じを自分のものとして意識することを許していないだけなのかも知れないけれど・・・。
私の幼い頃に聴いて理解したポップ音楽などを最近になって耳にすると、懐かしいような気分になると同時に寧ろ新鮮さを伴って聴こえる。
理解し得る部分は大体肚から理解している筈なのに。
私の中にあの感じは失われてしまっているのだ・・・。