2006/08/04

ベートーベン再び、アルテノーバ、ジンマン

タワレコに行った。
タイムリーなことに、ベートーベンの交響曲全集がすっげー安かったので、買ってみた。
アルテノーバの。
アルテノーバってのは、そういう廉価盤レーベルがあるのです。
結構マイナーな曲とかマイナーな演奏家のとかを扱ったりしていて、録音(音質とか)も今のところ甚だしいものには出会ったことはないし、まあ「こりゃスゲー」ってものはあんまり無さそうだけど「こりゃヒデー」ってものも無く、それなりのものをすっげー安く出してる、というようなイメージを私は持っている、というような、まあそういうレーベルなのです。
私はできる限り出費を節約したいので、このアルテノーバのCDは結構重宝してるのです。
まあそんなアルテノーバのことだから、恐らく、悪いとしてもそんなに悪いってことはないだろうと。
或は悪いにしても、アルテノーバのことだから、多分何処かで何か新しいことでもやっていて、資料として持っておくぐらいの価値はあるだろうと。
なんか「新しいベーレンライター(という楽譜の出版社があるのです→ウィキペディア(ドイツ語))版による世界初録音」とか書いてあるけど、まああんまり気にしない方向で。

で、この全集。
トンハレ・オルケスター・チューリヒの演奏で、デイヴィッド・ジンマンの指揮。まあどっちも私の知らん人達なんだけど。

Beethoven: The Nine Symphonies
Beethoven: The Nine Symphonies

で、聴いてみた。

感想。
うわー、なんだこれ。
ひっでー。
めっさ早いやん。
一寸ギャグにしては余りに笑えんぜ。
それにアタックが遅くリリースの短い不快なタイミングの不快な強拍とかスタッカートとか。
プチプチ音を切りよる。
音楽に文節多過ぎ。
それも全曲でそんな調子なのです。
あちゃー。
なんでもかんでもやたらと明るいのです。
こんなお軽い『運命』なんて聴いたことねーよ。
まあ第七とかはそれはそれでという感じだけど。でも第七そんなに好きじゃないしなあ。
せめて第九ぐらいは、せめて第九ぐらいは、表現に普通ぐらいのコントラストをつけて欲しかった。
なんかロマン派と古典派の間にいる筈のベートーベンが完全に古典派になってしまったような演奏。
ちゃんと聴くのには或程度慣れが必要だ。

資料。

という感じで、硬質で明るいベートーベンが聴きたい人に。
或は一般的解釈におけるベートーベンの高揚感とか後半の高密度感とか感情表現がやり過ぎでなんか鼻持ちならないという人には好いかも知れない。
私は、それら無しにベートーベンの素晴しさの重要な部分について語れるだけの語彙を持ち合わせていないし、またそれら無しのベートーベンを心地よく聴けるぐらいまでは耳が慣れていないのです。