やってしまった・・・。
ニーベルング全曲集、アルテノーバの。
der Ring das Nibelungen
アルテノーバってのは廉価盤レーベルなんだけど、一寸前からタワレコではアルテノーバセールをやっていて、タワレコ買ったら更に安いのです。
13枚もあるよ・・・。
絶対全部は聴けん。対象をひとまとまりのものとして捉えることに関する私の能力の限界を遥に超えている。
実際に上演するときには、全部演るのに四日ぐらい掛けなならんらしいし。
ってゆーか、各序曲ぐらいが聴ければよかったのだが。
まあニーベルング全集買っといて言うのもナンだけど、私はワーグナーってイマイチ好かんのよね。
私がワーグナーを好かんのは、「ほれ美少女だ、猫耳も付けてやる、萌えろよ」という態度の萌え漫画或はアニメに私が萌えられないことや、「ほれキラキラした音だろう、リバーブもかけてやったぞ、感じろよ、そして癒されろよ」という態度の癒し系音楽に私が癒されないどころか苛立たしささえ感じることと同根であるのだと思う。因みに「癒し系音楽」というのは、その音楽に対する蔑称だと思う。
ワーグナーの音楽ってのは、大部分の「ほれ、ほれ、ほれ」というハッタリと少しの芸術とでできているように私には見える。
そのミエミエ感とか押し付けがましさとか、そういう感じが鬱陶しい。
アイヴスやストラヴィンスキーぐらいちゃんと「これはハッタリですよ」って言って確りわざとやってくれれば、つまりより一般的な例を挙げるとつんくとかデジキャラットのようにやってくれれば、そしてわざと明示的にハッタリをカマすことを一つの技巧として確立させてやるというぐらいの意気込みでやってくれれば、或は別の次元で面白くなる可能性もあるけれど、ワーグナーのハッタリは只のハッタリでしかないように見える。
まあつんくもデジキャラットも私はあんまり好きくないが。
ワーグナーの音楽は、ハッタリの部分が折角の音楽の邪魔をして見え難くしている。
然し音楽家がハッタリ技巧について学ぶにはもってこいだと思う。
我々ワーグナーより後に生まれてしまった音楽家は、ハッタリ技巧の一つや二つ知っておかなければやっていけないような気がする。
ワーグナーの後には純粋にロマン主義的な音楽は成立し難くなってしまった。
ブルックナーもマーラーもシェーンベルクも、ワーグナーをさぞ恨めしく思ったことだろう。知らんけど。
という私的言語で綴られる日記。