2011/08/10

少し距離を取ること、生活を分割すること

チャチい姿見が風で倒れて割れたのが契機だった。
新しく多少マシな姿見を買ったものの、置く場所を変えたかったのだ。
針や糸やミシンに占領されていた机を解放し、その部屋の真ん中へ持って来る。
空いた場所に姿見を置いたのだが、寧ろ机の移動が効いた。

この机の上には食事に使う以外はペン類とノート類と一冊の書物しか置かない、というルールを定める。

今までは家では常にPCのモニタの前にへばり着いていた。
そうすべく部屋を設計していた。
ここにはPC、オーディオ機器、楽器、筆記用具、工具類、読みかけの書物、食べかけの菓子類等々が全て揃っている。
排泄や料理や就寝以外は殆ど一歩も動かず生活することができる。
食事もここで摂っていたし。
然し何をやってもPCかギター、或はその両方を触りながらだった。
この生活は、どうも時間ばかりが浪費されて不可ない。

なので、部屋の設計思想を少しだけ変えてみた。
ミシンから解放した机の上で専ら食事を摂ることにして、ここで紅茶とケーキ或はクッキーとを用意して本を読むことにする。
生活を分けるのだ。
PCの前以外にここででも生活ができるようにしてみる。

そうすると、結構時間に余裕ができたように感じられるようだ。

書物を一冊しか置かないことで、一冊の本を集中的に読み切る頻度が増える。
それまでは数冊を並行的に読んで、多くは途中で飽きてしまって放り出していた。
安部公房の微妙にリズムの悪い(彼は面白いが少なくとも美文家ではない)、活字のやたらと小さい新潮文庫の、途中で放り出していたものも、最後まで面倒臭がらずに読める。
一冊を集中して読めば意外と時間が掛からないようだ。

あと、机の上に置くことを許されているものが制限されているので、机の上が散らかり難く、何か描いたりゆっくり考えものでもするには丁度良い。

この机の上にMacBookとか置いたら・・・最悪だろう。
そんなのなんにもならない!
然しMacBookは現在枕元に置かれており、使用頻度が少し低い気がして少々勿体無い気もしないでもない。