2011/03/28

脳味噌ちゅるりん

私は私の幸運や幸福に慣れてしまっているのだろう。
あの大地震に罹災した訳でもないし、貧乏だが少なくとも今日明日の衣食住に事欠く訳でもない。
蛇口をひねれば水が出るしコンロをひねれば火が灯く環境にある。
体はそれなりには健康で、指先はまあ器用な方だ。
楽器だって弾ける。
それでも私には、私が私の生を生きているということを自覚する上で必要なものが何か欠けているように感じられる。
濃度が薄い。
目玉の後ろ辺りが浮いて後ろに引っ張られている。

夏の静かな海みたいな音楽が聴きたい。
何かに潜っていたい。

何もかも忘れて「然り」と言うだけなら私にもできる。
然しそんなもの糞を拭うのにも使えないことぐらは理解できている。