2010/10/16

走馬灯

帰宅時、帰路を外れて少し歩き、でかいホームセンターに寄る。
わお、パラダイス。
要らない工具とか買ってしまいそうだったのを我慢して、お徳用サイズの洗剤など買うべきものを買う。
あとペットの動物とか魚とか。
そんなのを飼う余裕は金銭的にも時間的に心理的にも無いので実際に飼うことはできないし、序でに別に動物を飼う生活がしたいわけでもないが、なんか買って帰りたくなる人間ホモサピエンス。

携帯折りたたみリュックに買ったものを入れて、歩いて帰路に戻る。
その途中、暗い道を格好付けながら歩いているとき、道の脇の溝が黒いアスファルトに見えて、当然の如く踏み込んだ足が地面を捉えられずに転倒する。
背負った満杯のリュックが慣性の法則に則って、転倒後に背中から頭へと滑り、その慣性力で頭を押されて顎が地面を強か打つ。
ベンスティラーの出てそうな映画とかドリフ的コントみたいに、きれいに真っ直ぐ転倒して、それが凄く面白かったのだが、この面白さを誰とも共有できないことが悲しくてならない。

転倒したとき、時間がかなりゆっくり流れているように感じた!
これが走馬灯のようにというやつか。一寸違うけど。
転倒している最中に自分が自分の置かれた状況を徐々に把握していく様を具に内省できた気がする。
最初は何が起きているのか全然理解出来ていない訳だ。
思ったより地面が低いなあ、もう少し下まで踏み込まないと、ぐらいの感じ。
それが・・・
→イヤ待てよ、これは何かおかしい、そこに地面がある筈なのにいくら踏み込んでも足が地につかない!
→足が何かに吸い込まれているみたいだ!恐ろしい!
→足が地につかないということは何を意味しているのだろう。
→ああ、もしかして溝にでも足を突っ込んでいるんじゃないのか。
→そうか、暗い溝が黒いアスファルトの地面に見えてたのか。そう考えればこの状況を理解できる。
→自分が正しいかのようにカッコつけて歩いてたのに、こいつは滑稽だ。
→ああ、転倒する!もう立て直すことはできない!
→あ、すげえ、今真っ直ぐ倒れてる!
→やけにゆっくり倒れてるなあ・・・。
→転倒した!手を付いた!そして背中のリュックが滑っている!来るぞ!
→来た!重いわっ!そして顎を打った!
→これは面白い!
と、こんな感じ。
なかなか幻想的な感じだった。