2010/07/20

虫愛づる姫君

朝、ゴミを捨てようと外に出ると、羊たちの沈黙っぽいフォルムをした蛾が。
昨日も同じ場所に見た。
死んでいるのかも知れない。
取り敢えず、クローズアップレンズを二枚着けたカメラを取りに戻る。

moth, dead?
moth, dead? posted by (C)Ludwig D. Omen

めっさ近付いても動かない。
死んでいるのかも知れない。

こう近くで見るとふさふさしているのなー。
近くで見た方が好い。
素早い動きで飛んだりしなかったら、蛾であっても割と好感が持てるものなのかも知れない。
成程、タランチュラの人気があるのはこういうことか。

私も昔は虫とか大好きだったのになあ。
最近メッキリ駄目になってしまった。
まあ駄目な人に比べたらまだ大丈夫な方なんだろうけど。
虫愛づる姫君(堤中納言物語の)ぐらいには回復したいものだ。
虫愛づる姫君とかいいよなー。

でかい虫はまだ結構イケル傾向にある。
この前近所にちょーでかい百足を発見して感動したんだけど、シャッタースピードよりも動きが素早く、ちゃんと写真に収めることができなかった。
百足はイケルけどゲジゲジは駄目だ。
基準がイマイチ不明瞭。
何がイケて何がイケないのか、エンカウントしてみるまで判らない。

こういう嫌悪感はどこから来るのか。どういったものなのか。或はどういった話と結び付くのか。

なんか「SFの悪い宇宙人(等々)は殆ど醜い姿をしている」という話を思い出した。
フィクションで恋仲になれる宇宙人(等々)は人間の姿に非常に似ていて、美しいしな。
とか。
「あのひとはキモくって生理的に受け付けない」という言説と人種差別や同性愛差別等々の文脈における同様の言説の間の相違の中で特筆すべきものがあるのか、あったとしたらそれは何なのか。
とか。

これらのことと私の「虫愛づる姫君」への好感は、何か意味のある関係がある気がする。
でも私の灰色の脳細胞は、洟で滲んで、規制のかかった性表現みたいにシナプスのとこらへんがなんだか不明瞭な感じになってしまっている。

嫌悪感(とその克服)についてちゃんと書き切ることができたなら、上手くいけばノーベル平和賞も夢ではない気がする。