2009/07/06

偽高杉晋作

部屋に入ると空気が悪い。
「空気」というのは、雰囲気という意味の方ではなくて、字義通りの空気だ。
部屋の中の気体の総称の方だ。
どう悪いのかはハッキリとは判らないのだが、兎に角悪いように感じる。
何か意識的に感じられるような嫌な臭いがする訳はない。
澱んでいるのだ。
サーキュレーターを回しているにも拘わらず。

部屋に入った途端、イヤーな感じがする。
こういう部屋の空気が、霊の出易いとか霊の溜まるとか謂われる空気なんじゃないだろうか。
稲川潤二とかの話に出てくる、アレ。
稲川潤二的なイヤーな感じというのは、視覚的な要素もさることながら、空気中に含まれる酸素の量とか何らかの化学物質とか、そいういう何かが影響しているんじゃないかね。

ああ、幽霊とか妖怪とかが、それらが存在すると考えている人達が考えているような仕方で存在するのなら、或は我々が普段使っている「存在」という言葉の使用を殆ど拡張しない形で「それらは存在している」と言えるのなら、つまり大森荘蔵的でない意味でそれらが存在するのなら、世の中はもう少し面白かっただろうに。
おもしろきこともなき世はおもしろくなし。

そういや高杉晋作(だっけ?)の「おもしろきこともなき世をおもしろく」ってのは、おもしろい何かを創造して世をおもしろくしてやろうということなのか、或はおもしろいおもしろくないは心の持ち様ということなのか、実際のところ、どっちなんだろう。
前者なら面白いが後者ならホントつまんねえ。