2005/12/25

フジ子ヘミング、冬、アンデルセン

寒くなると、フジ子ヘミングなど聴きたくなる。
フジ子ヘミングは、「トップピアニスト」という感じでは全くないが、それでも、音に強い個性を持っている。
ポコポコいってて、曖昧な感じで。
水滴の水面に落ちるのをスーパースローで見るときの、その水面の形を見ているような、音。
或は暖かい部屋で、耳たぶがほっくりしている音。
或は、一音一音、ぬるい池の中をゆっくり上昇する気泡の、水面で、ポッ、と弾ける音。
何でもアンデルセンに出てきそうな音楽になってしまう。
なので、夏場に聴くのは少々鬱陶しいのだが、冬になって、孤独感が、冬という環境に合致して、丁度心地よくなる頃に、少し聴いてみたくなる。


私の言語の限界が私の世界の限界を意味している。」