2005/11/29

ルートヴィヒな一日

このブログの左右の書籍に関する紹介の記事、最近読んだものの紹介というスタンスではなく、本当に私が好いと思っているものだけを特選で書くようにした。
左右の記事の更新頻度から考えると、その方が適切だと思ったから。
因みに画像をクリックするとアマゾンの商品ページへ行って、そこからアマゾンで買えるようにしてあるので。
で、誰かがアマゾンで商品を購入したら、アマゾンから私に、ようやった、と報酬が支払われるというスンポーで。


ジュンク堂をぶらついていたら、スーパー胸キュンなものを見つけてしまった。
『ウィトゲンシュタイン哲学宗教日記』!
結構でっかい本なのに2000円!買うしか!
因みに訳は『ウィトゲンシュタインはこう考えた』の鬼界彰夫。
ウィトゲンシュタイン哲学の解釈者というよりは只のウィトゲンシュタインファンである私は、『反哲学的断章』も持っていて、例えば「ブルックナーは映画に合うけどブラームスは合わない」みたいな記述を見つけてそうだろうそうだろう能く心得ていらっしゃると、哲学に余り関係ないところでニヤニヤしたもんだが。
この『哲学宗教日記』は1993年に新たに発見された、1930-1932年と1936-1937年の日記の翻訳+αだそうである。
ペラッと見てみたところ、全体の半分のページ数が日記本体に充てられ、残りの2/3が非常に有用で丁寧な注(哲学的には、日記本体よりこの注の方が役に立つかも知れない)、その残りが訳者の解説となっている。
ヤバいな。時間あんまり無いのに読んじまいそうだ。

序でに、テイラーの本が売ってあり、テイラーはそのうちチェックしないとと思っていたので、余り所持金に余裕がない中で、思わず買ってしまう。
ローティがこの本の帯でえらい賞めていた。
因みに帰りに電車の中で一寸読んだが、未だ彼を評価出来るようなところまで見えていない。
まあ八割ローティニアンの私は、彼が賞めてるようなものについて、矢っ張り好いな、と思う可能性も高いんだろうけど。別にローティに無理して抗う理由もないし。無理して迎合する必要も感じないが。

それからクーリエジャポンも買ってみたが、あれ、期待したよりは、予想通り、良くなかったが、別に読むに値しないよ、とは言えない程度には読めた。期待と予想は別のものであるというところを見落とさないこと。
各国の記事の翻訳を載せているのだが、その国のメジャー処を集めているという感じで。ワシントンポストとか。タイムズとか。そういったクラスの記事を集めているので、まあ分かり切ったことだったのかも知れないが、私が欲しいバリバリのジャーナリズムに基づく情報は見受けられなかった。それに、当然のことながら、何を載せるかについてはクーリエジャポンの編集に懸かっている訳だし。世界を知るというよりは、或は世界に支配的な傾向を知るというよりは、編集者が読者に世界についてどう認識させたいかが解る程度なのかも知れない。
これならロイター通信の方が役に立つ。而も只。
英語圏に関して言うと、インターネットの方が役に立つ情報は余っ程多い。
但し私は英語も微妙な上、他の言語はまるで駄目なので、英語圏以外の記事は一寸は役に立ったのかも知れない。勿論役に立ってないかも知れないが。
兎に角、編集に「アメリカだけが「世界」でしょうか」と言ったことで背負う期待に応えられるだけの信頼性や内容はあるのかという問いに対しては、まあ残念ながら全くちっとも微塵も、と答えられるが、では、この編集はほんの少しでも信頼に足るものなのかどうか、という点に関しては、微妙なところで、判断出来なかった。
別に判断するまでもなく、大した内容を持っていないのだから、どうでもいいと言えばどうでもいいのだが。


アマゾン→ウィトゲンシュタイン哲学宗教日記―1930-1932/1936-1937
アマゾン→ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン 反哲学的断章―文化と価値
アマゾン→鬼界彰夫 ウィトゲンシュタインはこう考えた―哲学的思考の全軌跡1912‐1951
アマゾン→チャールズ・テイラー 「ほんもの」という倫理―近代とその不安
アマゾン→COURRiER Japon