2005/11/15

部屋の酸素

何もできず、只管ぼーっとする。
部屋の空気が底に溜っている。
空気の中に在っては、スピーカーから雑音ばかり流れ、音楽が流れない。
文字が見えるが、文章はない。
そこに在るべき有意味性を、溜った空気が全て吸収してしまう。
酸素が足りない。
動けなくなる。
酸素が勿体無い。
鼻から肺へ空気が浸入する。
横隔膜を使って肺から空気を出す。
然し次に吸う空気も鼻から肺へ浸入する。
沈み、溺れる。
部屋の空気にトプンと浸けられる。
有意味性が空気に溶け出してしまう。
何もできず、只管ぼーっとする。