2010/08/24

二つの「~すべき」

「~すべき」という語の用法として、少なくとも次の二種類の用法があるように思える。
一つは、色々なことをよく吟味した上で然々のことを実践として実際にそうすべきだ、というようなことを言いたい時の「~すべき」。
もう一つは、然々のことをすることが、実際問題としてそれが可能かどうかとか他の点に注目したときや別の視点から見たときはどうかとかは兎も角として、端的に、理想的にはそうすべきだ、というようなことを言いたい時の「~すべき」。
普段我々は、この二つを使い分けたりごっちゃにしたりしながら生活しているように見える。
例えば自動車免許の講習なんかでは、この二つが頭の悪い仕方で常にごっちゃになっていて、イライラすること甚だしい。

例えばカントの倫理学をつまらないものにする方法として(別にカントに恨みは無いが)、この二つをキッチリ分けた上で、カント倫理学は畢竟後者の「~すべき」についてのもである、というふうに捉える、という方法があるかも知れない。
そしてそれを確かに間違っちゃいないが片手落ちで実際には役に立たないものとして捨て去る訳だ・・・。
ほらもー、つまらない。