2005/06/21

11711911

電車の中でミスチルを聴きながら憂鬱に襲われる。
寝たふりをして耐える。

帰り道、自転車に乗った酔っぱらいのおばちゃんが、歩道のポールに衝突し、私の目の前で見事にぶっ飛んでみせる。
動かなくなったので、こりゃ死んだと思ったが、不謹慎ながら、同時にこりゃ面倒臭いことになったとも思った。
俯せになって倒れている彼女が、袋詰めの脂に見えた。醜かった。
私は目の前の事実よりも自分の無感覚が怖かった。
救急車を呼ぼうとして携帯を取ったが、117だったか711だったか119だったか911だったかが思い出せずに愚図愚図したり現在地の地名が解らずに愚図愚図しているうちに、幸いにも彼女は自力で起きあがり、大丈夫だと言って結構ぴんぴんしていたし、見たところ頭も打ってなさそうだったので、適当に挨拶してその場を去った。

目の前で人が死んだと認識された直後の感想が、余り劇的なものでなかったのには、我ながら、驚かされた。