疲れが溜まっている。
よくないことだ。
そこそこ大きな、庭付きの日本家屋の、角の部屋で、私は布団を敷いて寝ることにする。
私は私の立場上、その位置に布団を敷かなければならないようだ。
襖は開いていて、外の庭が部屋から漏れる明かりで微かに見えている。
布団に入ろうとすると、蜘蛛が居る。
或は蜘蛛ではないかも知れない。コオロギのようにも見えるしゴキブリのようにも見える。
何匹も居る。
低い天井から私の蒲団まで、蜘蛛の巣が張っている。
私はそこで眠らなければならない。
私は蜘蛛の巣を避けて足を曲げて横になるも、どうにもその蜘蛛が気になって眠ることができない。
私は非常に疲れていて、一刻も早く睡眠を摂る必要があるのだが。
私は仕方なく立ったまま、部屋の明かりを消して、月明かりに部屋を見渡し、自らの境遇に苦笑がこぼれ、引きつった顔面の筋肉を感じながら目を閉じる。
或は私は立ったまま眠ろうとしたのかも知れない。
然し一方で私はこれから蓄積される疲労が明日の私の行動と精神を著しく制限するのを覚悟している。
というような夢を見る。
実際に疲れは抜けず。