2004/11/26

回転

この感覚は・・・。

ヤバい!やつが来る!
あー、ドリエル何処にやったかなー。
「ピンポーン」
あー、とうとう来やがった!
間に合わなかった・・・。

はい。
「どうも。お邪魔します。」
やあ。どうも。まあ上がって下さい。
「はい。」
・・・。
「あなたは一日そこで何をしているのですか。」
いえ、何も。何も出来ないのです。
「何も出来ないのではなく、何もやろうとしていないのではないのですか。」
或はそうかも知れません。そう言った方が正確かも知れません。
「どうしようもないですね。」
はい。すいません。
「ところで、この世に生きるに値しない人間なんて居ない、とのあなたのハッピーな考えに、一人考慮されていない人物が居ますね。解ってますね。」
はい。すいません。解っています。私が「私」と呼べる人物は一人私だけなので。こればっかりはどうしようもありません。或は私が別人の視点で私を見たなら、一寸は違ったかも知れません。
「努力はしないのですか。」
幼少から器用だった人間は、努力することを学ぶこと無しに歳ばかり喰って了ったのです。
「言い逃れです。」
そうです。
「また。またそうやって逃げてます。あなたはいつもそうです。そうやっていつも言訳ばかり。如何に言訳をするかにしか頭を使っていないのです。」
そうです。その通り。然しこれより外なんて答えていいのか思い付かないのです。どうしろと言うのですか。
「唯、すべきと解っていることをやればいいのです。」
解っています。が、そんなのは只の正論だ!
「唯、やればいいのです。」
解っています。解って居るんです。
・・・。

後略。
青春の脳味噌は無駄な回転が多い。
或はこいつだけならまだいいが、他にも全ての価値を無価値化する、ニーチェのより質の悪いニヒリズムや、原因不明の不安や、襲いかかって来る未来や、肉体的且つ頭脳的衰退などが次々と私を訪ねて来るので敵わん。
奴らは私が好きなのだ。私も奴らはそんなに嫌いではないが、出来ればあんまり会いたくない。