2019/07/02

道具って大事よねシリーズ:出刃包丁編

道具って大事ですよね。
用途に相応しい道具を選択することも大事だけれど、ちゃんとしたクオリティの道具を揃えるってのも大事。

でも良い道具ってお高かったりしますやん?
別になんでもかんでも金を掛けりゃいいってものでもないし、安くても良いものは沢山あるけれども。
要はバランスで、その仕事を熟すのに十分なクオリティの道具があればいいのだ。
然し確かに、良い道具には中毒性がある。
ねじ回し一本にしたって一度或程度以上のクオリティのものを使ってしまうともう元には戻れない。
力の入り方がどうだのネジへの食い付きがどうだの「そんな糞ドライバーなんざ使っとったらすぐ、ネジ、ナメさしてまうで」だのと言い出すに決っているのだ。
全ての道具をハイクオリティで揃えることはできないけれど、少なくともよく使う道具ぐらいは、少しくらい懐を寒くしても良いものを揃えたいものである。

で。
最近、よく魚を食す。
スーパーとかで鮮魚を買ってきて、捌いて食うのだ。
アラで出汁取って炊き込みご飯を炊いたりするのだ。
包丁は、ステン(モリブデンバナジウム鋼)の刃渡り105mmの小出刃を使う。
関孫六の、孫六の中では厚めのヤツ。
刃がモリブデンバナジウムにしては柔い感じがするし、「良いモノ」の部類ではないけれど、そんなには悪くもないんじゃないかと思うんだけれど。
魚を捌けそうな包丁がそれしか無いのだ。

ギンギンに砥いで使うのだけれど、25cm程度の鯛とかで1匹スッと捌き切らない。
硬い骨に当たると鈍ってくるし、兜でも割ろうものなら一発で刃が全滅して、刃先がキラキラしてくる。
三枚卸しで表の肋骨を断った後、裏側の皮に包丁がスッと入らなくなる感じ。
まあやってやれんことはないけれど、私の技術の無さも手伝って、やっぱ肉の断面とか微妙に汚くなってしまう感じがする。
鱗は鱗取りで大まかに落として細かいところは包丁使うのだけど、鱗落としてる最中もこれで刃が鈍るんちゃうかとヒヤヒヤしながら落としている。
鯵とかならそんなにはストレスに感じたことは無かったのだけれど。
ちょい大きめの魚とか骨が硬い魚だと流石にモリブデンバナジウム鋼の小出刃ではしんどい。

一応、藤次郎のDPコバルト合金のペティとか牛刀とか、或はGlobalの三徳とか、私の料理の腕からしたら分不相応に「良いモノ」の部類に入るであろう包丁も有るのだけれど、魚捌くのに使いたくない。
まあ三枚卸しの後の工程、例えば皮引きとか刺し身とかに使うぐらい。

つうことで、一寸マシな出刃包丁が欲しくなってきた。
鋼の刃渡り165mmぐらいの重くてゴツいヤツ。
でもAmazonとかで見てると、一寸ええやんと思ったら30,000円とか、まあこんなもんかと思ったら10,000円とか、普通にそんくらいはする。
4,000円も出せばそれなりのものが手に入ると踏んでたんだけれど、完全に甘かった。
両刃とか薄めの刃とかなら一応はないではないっぽいのだけれど、ゴツくてそれなりの鋼のヤツは、やっぱ結構する。

昔、2,000円もしないぐらいで、「鋼製」だと謳われていた刃渡り150mmの出刃包丁の形をした包丁を買ったことがある。
洋包丁とかに比べればヨッポド厚みはあるけれど、出刃にしては少し薄め。
一見片刃だけど裏スキが無いので、研いだら実質両刃になってしまう。
或は裏スキを自分でハンディルーターか何かで頑張って掘るとか・・・イヤイヤそれには流石に或程度ちゃんとしたグラインダーが要るか。
一応、ちゃんと研げば切れないではないので、カボチャとか冷凍肉の解凍し切ってないヤツとか、刃を痛めそうだったりゴツい包丁が必要なものを切るのに使ったりしてたんだけれど。
魚用に、もしかしたらコレを積極的に使っていったらいいのかも知れない。
関孫六のモリブデンバナジウム鋼よりは多少硬い感じがするので、ちゃんと研げればどうにかなるかも知れない。

でもなあ。
やっぱちゃんとした道具欲しいなあ。
どうすっかな。

取り敢えず、件の「鋼製」の包丁と、あと普段使ってないリザーブメンバーの包丁をギンギンに研いでおく。

沢山研ぐと何故かどうしても砥石で指を切ってしまう。
ヒリヒリする。