2019/07/13

毛生え虫、シロアリクイスズメバチ

或夜の話。

やふやふ広くなりゆく生え際、少し気にして育毛法を試すもおかし。
誰だか判らない「友人」に、私は相談したのか、或は何かの話の流れだったのか。
その「友人」と私の至った結論として、或虫の卵を産み付けろとかいう話。
その虫といのは、ミドリ色のカメムシのような形と大きさで、然し翅はキリギリスのように柔らかく、体の左右には淡いレモン色の筋が入っていて、魚のイトヨリを思い起こさせた。
卵は桜の木に付く毛虫の糞のような形だが、濃い緑色で透明感があった。
それが人間の皮膚にテントウ虫の卵のような感じで産み付けられてゆくのである。
「友人」がそのなんだか判らない虫をどこからか調達してきてたのだった。
パッと見は、何処にでも居そうな虫だなという印象だったが、然し何か蚕のような飼い馴らされたような人工的な雰囲気も感じられる。
一匹、その虫を私の手の甲へと追い立てたが、この虫のことを私自身余り気持ち悪いと思っていないことに驚いていた。
私の手の甲に乗った虫を正面からマジマジと観察していると、虫が威嚇するように翅を開いた。
この虫は卵を産むときもこうやって翅を開くのだ。
翅の開き方を見る限りでは甲虫のようであったが、然し翅の先の方はウスバカゲロウのような薄さであった。
私はその虫が3cm程度のホンの少しの距離しか飛べないということを知っていたことを思い出した。
私は手の甲を少しずつ頭髪の生え際へと近付けて行く・・・。
そこで私は、この柔らかく潰れ易そうな虫が髪の中へ入ってしまう可能性に思い至る。
ああっ!それを取ろうとすると足が千切れて髪に絡まったり、或は髪の中や頭皮辺りで腹が破けて体液や内蔵が飛び散ったりするに違いないのだ!
そしてこの虫の性質上、髪の中に這入って行くに違い無いのだ!
マズい!これはマズいぞっ!
然し私の腕は止まらない。
悪戯小僧が解っていながら度を越す瞬間の、あの狂気に囚われた嗤い顔を思い出す。
もう止められないのだ。
「マジか!マジか私!」と叫ぶ。
そして、その虫が私の生え際へと飛び移り、逃げるように髪の中に潜ってゆく。
うわあぁぁぁぁぁぁぁっ!

というところで目が覚めた。
叫び声は実際には上げていなかったようだ。


また或夜。

4畳半程度の部屋がある。
私の家だ。若しかしたら、知人の家だったかも知れない。
4畳半は扉でリビングに直結しており、その逆サイドはベランダに出るガラス戸である。
4畳半へ入り左手側の壁が、以前シロアリに食害されていたらしかった。
聞いた話では、壁板を剥がすと1.5cm程の幅のアリの巣状の道が一面に掘られているということで、私も見てみたいと思った。
実際部屋に入って見てみると、そこにはシロアリではなく、或種のスズメバチが壁一面に群れを成してその「道」の中に蠢いていた。
クロスズメバチよりは大分小さく、キイロスズメバチよりも恐らく少し小さいのだが、アシナガバチよりは明らかに大きかった。
この種類のスズメバチはシロアリを巣ごと捕食してその巣を乗っ取ってしまうのだ。
私は咄嗟にどうやってこのスズメバチを駆除するか、何通りか考えてみたがどれも上手くいきそうになかった。
私はこの4畳半を飛び出して、そこに居た誰かに向かって「あかんわ。こらあかんで。」と言うのだった。

という夢を見た。

立て続けに虫にまつわる夢を見た。