若い頃は、
「若い頃は」?
そうか。私は今や若くはないのか。
糞、なんてこった。
私はずっとこんなことを、糞、なんてこった。
愚かで居ることにこんなにも慣れてしまっている。
話を戻すと。
若い頃は、映画はそれなりには観たものだ。
私は自分が雑食であることを良しとしているので、あと序でにメインストリーム嫌いを気取っていることもあって、マイナーなものも含むようにして可能な限り色々なものを観たものだ。
ウンコみたいな映画も素晴らしい映画も、それなりには観た。
そう記憶している。
でも映画好きとは言えなさそうだ。
心に残っている映画は?と訊かれても、パッと思い付かない。
幾つか思い付いても、本当に?と訊かれると、イマイチ自信が無い。
記憶を辿ろう。
「Dark City」のジェニファーコネリーが歌っているシーンが格好良くてドキッとさせられてしばらくの間参っていたし、「恋の闇、愛の光」は私の古楽への道の足掛かりになったし、デレクジャーマンはなんとなく醜くて美しかったし(半分ぐらいは途中で寝たけど)、「戦場のピアニスト」は何故かスタッフロールで涙が溢れてきたりしたのを覚えてはいる。
でもそれらは映画として素晴らしいかと問われると、「素晴らしい」の範疇に入れるべきかと問われると、それ程でもないかも知れないと尻込みをしたくなる。
或はバカみたいなノリのコメディとかも好きなんだけれど、殆どの場合、何か残るものでもない。
今パッと思い付く中では「Amadeus」「A」「羅生門」辺りは素晴らしい映画だと言っていいと思う。
私のフェイバリットとして挙げてもいい。
もっと他に挙げるべきものもある気もするが、今は思い出せない。
他のものも全て思い出したとして、然し本当におまえはそう思っているのかと訊かれると、矢張り少し自信が無い。
私は、結局映画好きにはなれなかった。
ここ何年か、若しかしたら10年近く、マトモに映画を観ていなかった気がする。
映画は、今や私には無くていいものになっている。
で。
Amazon Primeでプライムビデオってあるやん?只で観れるヤツ。
サービスが始まって暫く経つけど、そういや殆ど利用していなかった。
たまに鷹の爪団を2-3話分観るぐらいだった。
けどここ数日、何年か振りに映画を観ている。
プライムビデオには観たいと思えるものが殆ど揃っていないのだけれど、然し幾つかは興味を惹かれた。
幾つか観た中では「The Wave」「Idiocracy」辺りは面白かった。
Idiocracy(基本的にはidiot=「アホ」 + democracy=「民主主義」の造語)は邦題が付いてるのだけれど、余りに酷い、胸糞の悪くなる邦題だ。書きたくない。
「恋の闇、愛の光」とかも真面目にセンスが痛々しく崩壊していて大概酷いけどな。
原題は「Restoration(王政復古、或は修復)」。
映画の内容からするにダブルミーニング気味だし直訳ではダサくて日本では理解され辛いのは理解できるが、「恋の闇、愛の光」とか耳が赤くなる・・・。
因みに「戦場のピアニスト」は「The Pianist」。まあOKですやん?
原題からかけ離れた上にセンスの無い邦題って非常にしばしば見かけるけれど、マトモなセンス無いんやったらそのまま意味通じんでも横文字にしとけと思う。
そんなんで著作権とかどの口が言うとんじゃあああああああ。と。
然し最近は減少傾向にある気はする。よくは知らんけど。
つうことで、最近映画を観るようになったという話。
でもやっぱり、私は映画好きという訳ではないんだろうなあ。