学生楽団の演奏を聴きながら思っていたこと。
あの人達の中の何人か、恐らくは多くが、学生でなくなったら楽器から遠ざかってしまうんだろう。
或は何人かはより情熱的に音楽に取り組むようになるかも知れないし、何人かは暇なときに弾くぐらいの感じで楽器に触れる機会を持つかも知れないけれど、何人かは、楽器のケースに埃を積もらせることになるのだろう。
私の部屋の、空気の抜けて埃の積もったサッカーボールとは何か少し違う、なんだか凄く寂しい気持ちになる。
あの中の殆どの人は、私なんかよりよっぽど優れたプレイヤーで、良い教育を受けて、音楽に愛されているのにも拘わらず。
そう思うと息が詰まりそうになる。
皆が何か他に素敵なものを見つけた結果楽器から遠ざかるのなら別に何も思わなかっただろうけど、多分そうじゃないんだろう。
私のこの想像が見当違いであることを望む。
夢。
太陽の下のベンチに座って下手な歌でも歌いながら暮らしたい。