2004/12/17

介錯

書くことが無いので昨日の続き。

過去の思想家の思想で、現代の我々から見て明らかに「間違った知識に基づいている思想だ」と判断出来るものに関して、その思想家の研究者は、無理に擁護しようとすべきではない。
それは白装束で切腹中の武士を目の前にして、何か「可哀想だから」などという理由で介錯の刀を振り下ろすのを止めてしまうのに等しい行為である。

例えばニーチェの「永劫回帰」。
永劫回帰の前提が転けてしまった今や全く使い道のない概念である。我々は、傍ら痛い仕方でニーチェを無理矢理にたてるのを止めて、面倒臭がらずにそれに代わる新しい方法を考えなくてはならない。
それに彼を評価すべき点はもっと他にある。