2004/12/15

入門

懲りずにちくま新書。
昔買って未だ読んでなかったので。
『ニーチェ入門』。
この本で私が解ったことと言えば、この本の著者がヒトラーを賞賛するようになる為の条件は、次の二つで十分である、ということ。その条件、一つは彼が第二次世界大戦中かそれより少し前の時代の人であるということ、もう一つは彼がユダヤ系でないゲルマン系のドイツ国民であるということ。
『カント入門』と同様、ニーチェの魅力を半減させるのに大いに役立っている。
或は、あたかも賞賛するような形式で皮肉を言うような、裏返しのニーチェ批判として書かれたのかも知れない。私が馬鹿なので著者のそういう意図を見逃してしまって気付かなかっただけなのかも知れない。
或は「入門」と銘打っておいてそこから入ろうとした学徒を喰い物にする恐ろしい妖怪だったのかも知れない。私はすんでの所で喰われかけていたのかも知れない。
まあ入門書ってのはこんなもんなのかも知れない。
私の勘に拠ると、もう少しましなのがあってもいいように思えるが。