2005/07/17

狂骨の夢

狂骨の夢』。
非常に楽しめた。
矢っ張り京極堂シリーズは推理小説じゃねえ。
嘘くさい、必然性を伴わない「推理」で押し切るのを何故かメインディッシュとしている普通の推理小説とは違い、確りした文学作品として楽しめる。
普通の推理小説ってのは、事件の顛末について探偵がする説明がその事件が起こる十分条件の説明になっているが、必要条件の説明になっていることは殆ど無い。それでいて宛も必要条件であるかのように騙る。
京極堂シリーズにもそれが全くない訳ではないが、それでも他のどうしようもないのに比べれば余っ程マシだし、そもそも推理に重点が置かれていないし、なにより確りした文学的要素がある。
お勧め。心理学なんかかじったことがある人なんか特に。