2021/11/06

銅の薬缶

薬缶はホーローを良しとしている。
麦茶や京番茶等の煮出して大量に作る系の茶はステンレスのでかい薬缶で作るが、その薬缶で沸かした湯で淹れた紅茶など飲めたものではない。
私は網羅的に茶の類を飲むしコーヒーも飲むが、私の自己同一性物語的には紅茶が一番重要度が高い。因みに頻度はコーヒーが一番多い。
なので紅茶が一番美味しく淹れられる薬缶、ということで、ホーローを使っている。

普段遣いの薬缶としてホーロー薬缶を使っていて、残った湯も余り捨てず大体水を入れっ放しにしてずっとコンロの上に置いている。
紅茶のときは新しい水が良いので、紅茶を飲むタイミングで水が入れ替わる感じ。
あとはたまに洗うときとか。
なので、サビが浮いてくるのよね・・・。
まあ多少サビが浮いた程度ではどうということは無いと思うんだけど。

でもなんか、最近紅茶の味が若干重くなってる気がする。特に冷めたとき。
もう何年も同じ仕方で紅茶を淹れているけど、なんか昔はもう一寸スッキリしてたと思うんだけどなあ・・・。
私の舌が変わったのか、或は歳でも食ったのか。

風に聞く噂では、銅の薬缶が紅茶には最も良いとのこと。
つうことで銅の薬缶が少し欲しかったんだけど、めっちゃ高いやん?
なのでずっと見えないフリをしていたのだけれど、何かの間違いで買ってしまった。
Amazon で。勢いで。
まあ新しいギター買ってしまうよりはマシか・・・。

つうことで、(若干サビの浮いた)ホーロー薬缶と銅薬缶との比較。
因みに銅の薬缶は買いたてなので、内側にニッケルだか錫だかのメッキがガッツリ乗った状態。

銅の薬缶は熱伝導性に優れていて湯が早く沸くとの噂だが、ホーローの薬缶と同量の水を入れて同時に同じぐらいの火力で沸かしてみたらホーローの薬缶の方が明らかに早く沸いた。
これは多分薬缶の形状の影響が大きくて、ホーローの方は底が平らで広く、銅の方は底が丸みを帯びている形で狭めだったからだろう。
少なくとも形状の影響を跳ね返す程には素材の熱伝導性のメリットは無いということが分かった。
逆に火を止めたとき、ホーローは3秒ぐらいかけて沸騰が治まる感じだけど銅は一瞬で沸騰が止まる。

次に白湯。
同じ形状の湯呑2個にそれぞれで沸かした白湯を注いで飲んでみる。
湯の温度がチンチンの状態では殆ど差が分からなかった。
つうか私は猫舌なので只々熱いだけだ。
少し冷ました状態だとホーローの方がなんとなしに重さを感じるが、どちらが美味いということはない。
完全に冷えるとホーローの方は明らかに鉄っぽさを感じ、銅の方が美味く感じる。

紅茶。
同じ湯呑で、同じ茶葉の同じ量のティーバッグを作って、同じ量の湯を沸かして、同じ時間で淹れた。
湯が沸く時間の差を利用して同じ条件で淹れられたと思うが、ポットを使った最高の状態で淹れた紅茶ではない。
茶葉はティーバッグにしてもそんなには味が損なわれず、かつ色んな茶葉の中間的な味の性質を狙って、ニルギリのBOPを使った。
因みに普段私は砂糖もミルクもアリで飲んでるが、今回はストレート。
淹れたての状態では、ホーローの方がタンニン感があって香りも強く、銅の方が若干スッキリしている感じ。
けどそんなに差は大きくないし、どちらの方が美味いということもない。
冷えると銅の方は酸味が出てくるがホーローの方は酸味がタンニン感にマスクされて、冷めたらホーローの方が美味い・・・。

ミルクティ。
普段私が飲んでるような条件で、普通に銅の薬缶で沸かした湯を使ってポットで淹れて飲んでみた。
砂糖とミルクも普段通り。
但し同時に同条件で淹れて飲み比べたものではなく私の記憶頼りの比較なのでプラシーボやらなんやらが多分に入ってるだろうけれど。
淹れたては、いつもよりスッキリしてるけれども若干パンチが弱い気がする。
けど冷めてくると、いつも重く感じていたのが軽減されて、普段よりは冷めても美味い気がする。

序でにコーヒー。
これも銅の薬缶で沸かした湯を使って普段通りに淹れただけ。
全く違いが分からなかった。

抹茶やら焙じ茶やらの和茶の類は未だ試してない。

つうことで、(若干サビの浮いた)ホーロー薬缶と新品の銅薬缶だと、確かに差は感じられるが割と微細な差であって「明らかに差がある」という程ではないし、わざわざ高い金払って扱いも若干面倒な銅薬缶を買う必要は無さげ。

今回の散財は失敗。

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