2005/03/20

理想的な生活

老ベートーベンの室内楽が大音量で流れている狭く暗い部屋で椅子の上に膝を抱え蹲る生活。
何もしたくない。
私に心が在るという事実が疎ましい。
心が在り、人間がするような人間的思考から逃れられない、という事実が。

私の目の前にはそれらしい未来がない。
世界は私の未来を用意したりはしない。
望んで異端者となった者は未来を自分で創るしかない。
私には無限の可能性が広がっている。
「君は自由だ、さあ、創造したまえ」
然し私はその可能性の膨大さを目の前にして何一つ選択できず、唯気後れするばかりである。

何も考えたくない。
私が私を物語る物語の主人公から私を外したい。