2022/01/14

挿げ替えられた首

ブヨブヨした体、肩から下が打ち捨てられていた。
漫画的な路地裏で、座って壁に背をもたれかけさせた状態で何の力も入っていないようにダラリとしている。
首から上が無い。
或はリアル寄りの、「美しく」ないリアルが美しい系の、何かそういうタイプの作意の等身大人形なのかも知れない。
然しよく観てみると矢張り人の体のように思える。
見た目にも皮下脂肪の柔らかさを感じるし、生温く湿り気を帯びているに違いない。
イヤ併しこれは・・・これは私の体だったのではなかったか。
或は私の体になる筈のものではなかったか。
ああそうだった。私は一度、首を挿げ替えたのだった。
ということは、この眼の前の捨てられた体にも載せ替えられる筈だ。
やってみよう。
慥か、首筋を伸ばす要領で後頭部を抱えて前に倒し、伸び切った状態で更にグッと力を入れると、背中に横一文字に線が入って胸椎と頚椎の間でキレイに首が外れるのだ。
首のストレッチのときなんかは首が外れてしまわないように気を付けなければならないのだ。
併し神経とかはどうやって接続するんだろう。
取り返しの付かないことになったりはしないだろうか。
でももう私の背中の皮膚の部分は横一文字に割れてしまっていて元に戻せそうにないし、まあ過去にも一回やってる筈なので、多分どうにかなるのだろう。

・・・という夢を見た。