2021/09/16

Fender Japan のミディアムスケールのストラトを改造する

Ibanez AZ Essentials が欲しい気がするけど、金も無いし、ギターばっか増やしても置き場所無いし、諦めて手持ちの Fender Japan のミディアムスケールのストラトを改造することにする。
コレはピックアップを交換したり絵を描いたりして昔はそこそこ気に入って使ってたんだけど、フレットが大分削れてしまっているし最近はずっと使っていなかった。
生音的には、ミディアムスケールでもそれなりにストラトっぽい音ではあるけど、普通のストラトより重くてヌメッとした音ではあるかね。
こいつのフレット交換とピックアップの載せ替えと再塗装等々をやったろうかと。

元々の改造箇所:
  • ピックアップ交換、リアから JB jr. + 元々のシングル + little '59
  • ボディとピックガードにお絵描き+ボディに彫刻
  • 1vol + 1tone 化
  • ミニスイッチでシリーズ/パラレル切り替え
  • 実験用ミニスイッチ追加(コンデンサを切り替えたりしてた)
  • ロック式ペグ(Fender)に交換
  • graphtech サドルに交換
  • トレモロスプリング5本化+中にティッシュを詰めてジェッソ的なヤツで塗り固め
  • ネックのリシェイプ(弱)

今回やったことリスト:
  • フレット交換、Jescar #57110 ニッケルシルバー
  • 再塗装(ボディはシルバー)
  • トレモロスプリング交換
  • ピックアップ載せ替え、リアから JB jr. + little '59 + Gibson Mini Humbucker
  • サーキット総取っ換え、1vol 化、ミニスイッチでセンターのみシリーズ/パラレル
  • ストリングリテイナーを俵型に変更
  • ストラップピンをデカイヤツに交換

フレット交換

Jescarの、普通のジャンボタイプ。
最近は打ち替えにずっとスーパージャンボを使っていたけど、今回は普通のジャンボ。
スーパージャンボだとサスガに音が硬くなり過ぎるんじゃないかと思ったけど、ジャンボとスーパージャンボぐらいの差じゃ殆ど変わらんかね。
フレットを抜いて、指板を R9.5inch ですり合わせ・・・と思ったら、なんかハイフレット側のRが緩い・・・。
ローフレット側は R9.5inch のサンディングブロックで全体的に削れるのにハイフレット側は指板の端側だけが削れていく。
まさかのコンパウンドラディアス指板?
そうだとしても私の技術と道具ではコンパウンドラディアス指板を再現できないので、取り敢えず全体を R9.5inch で整形し直すことにする。
結構指板を削ってしまった・・・。
要らん事したかと思ったけど、どのみちフレットも同じサンディングブロックですり合わせないと不可ないので、結局は単一 R で整形し直さないと不可なかったのだ。
Jescarのフレットは R9.5inch(=R241.3mm) よりほんの少し緩い、多分 R250mm ぐらいの感じで曲げられてるような気がするので、手で若干曲げ増してからフレットを打ち込む。
フレットが打ち込めたら整形してすり合わせて磨いて終了。

ネック裏をツヤ消しクリアで吹いたけど、後でコンパウンドが付いた布で拭いてしまって、結局ほぼツヤ有りになってしまった。
あと元々の1-2弦のチューニングが若干ピキッといい易かったので、ストリングリテイナーは俵型にしといた。

再塗装

ボディはサンバーストだったのを、ヒートガン+スクレーパーで塗装を剥ぐ。
彫刻したのが木部まで達しているので、サンディングシーラー・・・がどっか行ってしまったのでクリアラッカーをドボドボに塗って埋め、乾いてからヤスリで整える。
今回は下地は結構厚めにいってる。
一旦黒を吹いてから、シルバーを何回か重ねて厚めに吹く。
その上からツヤ消しクリアを吹いたけど途中が切れてしまったので、ツヤ有りで吹き直したら案の定変な感じになってしまった。
あとシルバーの塗膜の乾燥が思ったより遅くて、また乾いたと思っても割と柔らかかったりして、所々擦れたりしてしまい、そこも変な感じなってしまったが、まあそれもまた良し。
キャビティは銅の Noise Hell を塗っていたが若干剥がれてきてたので、全部剥いでカーボンの Noise Hell を塗り直す。
因みに元からリアとフロントはハムバッカー用のザグリが掘ってあったので、ミニハムを載せるのにザグリを掘り直す必要は無かった。

ピックガードは元はアクリル絵の具で絵付けしてマットメディウムで固めてたと思うんだけど、コレが意外と強く付いている。
ペリペリ剥がせるかと思ってたんだけど、全然剥がれてくれない。
しょうがないのでティッシュを何枚か重ねて被せたところにアセトン・・・は一寸怖かったのでサンハヤトのフラックスクリーナーをドボドボに掛けて、それをサランラップで包んで何時間か放置したら、擦れば取れるようになった。
ピックガードの裏側はアルミホイルをタイトボンドか木工用ボンド的なヤツで貼り付けてたっぽいけど、それも剥がして、日東の再剥離両面テープ No.5000NS で厚手アルミホイルを貼り直す。
不要な穴はエポキシ(セメダインのハイクイック)で埋める。

トレモロスプリング

トレモロは使わないので、5本掛けでブリッジをボディにベタ付け状態。
スプリングの共振が厭なので、以前はスプリングの中にティッシュを詰めて、スプリングの下にもティッシュを敷き詰めて、それを更にジェッソか何かでビタビタにして固めてた。
ここからどうにかしてティッシュを取り除いてスプリングを再利用すべきか悩んだけど、水に漬けても(ジェッソは乾くと耐水性)どうにもならなかったので、捨てて新しいスプリングを買い直した。
つうことで、ステンレスを5本掛け。
共振防止は下に耐衝撃スポンジを適当に切って挟み込んだだけだけど、問題無く作用している。

ピックアップとサーキット

ピックガードの穴を加工して、フロントにミニハムが載るようにする。
元々のフロント用の穴の一部を一旦埋めて、ブリッジ側に穴を広げた感じ。
ミニハムの取り付けは、M3 でタップ切り直してピックガード直で載せる。
リアは元々載せてた JB jr.、センターは元々フロントに載せてた little '59 を持って来る。
5 way SW で
  1. リア
  2. リア+フロント
  3. フロント
  4. フロント+センター
  5. センター
にしてる。
スイッチ自体は元々のが若干ショボかったので、安くてスイッチ重めで割とカッチリでお馴染みの SCUD の YM-50S に交換した。
センターだけは 6pin ON-ON のミニスイッチでシリーズ/パラレルの切り替えできるようにしている。

1vol で、私お好みの TOCOS の RV24YN B500kΩ(使い古しのヤツ)、510pF のハイパス付き。
ホントは最近の好み的にはAカーブのが好かっただけど、Aのは新品しかなかったので。
トーンは無し。どうせ殆ど使わんし。
元々のセンターのトーン位置にボリュームを載せてる。
元々のボリューム位置は、私は手が当たってめっちゃ厭なので。
序に言うとピックアップセレクターも、この位置だと絶対手が当たってホントはめっちゃ厭。
なんか音がおかしいと思ったらいつの間にかピックアップが変わってたとかよくある。

ジャックがイマイチ気に入らなかったので Rean のに替えようと思ったら Tip ピンが長過ぎてキャビティに収まらなかったので、若干短いマル信のに交換する。

アースをスプリングホルダー、ピックガード上の回路、ジャックに分けてそれぞれ卵ラグにしてキャビティに1ヶ所でネジ止めするようにした。
またジャック-ボリューム間の Hot ラインを線の途中でコネクタにしている。
こうすることで、後々簡単にバラせるようにした。

あと元々付いてたセレクターノブが、 YM-50S には合わなかった。
YM-50S がミリサイズだと思うので、元々はインチサイズのが付いてたってことか。
Fender Japan は全部ミリサイズで行ってるものだと思い込んでた。
或はどっかのタイミングで私がインチサイズのセレクターに交換してたのかも知れないケド。
またどっかで買ってこないと。

組み立て

部品が一通り揃ったので組み立てる。
ピックガード取り付けはステンレスネジに交換した。
つうか最初からこの辺のネジは全部ステンレスにしといて欲しい。
絶対錆びるやん?

あとストラップピンは、他のギターも含めてデカイヤツに交換して行ってる。
Gotoh の EP-B3。
これプラス Harry's のゴムの輪っかを付けとけば、ストラップ抜けの心配がほぼ無くなる・・・と思ったけど今使ってるストラップが分厚過ぎて Harry's が入らない・・・。

ネックを仮止めして、軽く弦を張って、ナットを入れる。
ナットは graphtech を使おうかと思ったけど、ネック側のナットの溝がR付きタイプだし、E-E 間の寸法的にポン付けできるヤツが無い。
E-E が 34.59mm のヤツが要るんだけど、R付きタイプのは多分 35.05mm しかない。
まあ実際 35.05mm でも問題無いし、或はフラットボトムのは 34.59mm のがあるのでそれを削ってもいいんだけど、取り敢えず今回は元々付いてたヤツに 0.2mm のアルミの下駄を履かすことにした。
弦を張ったままネック止めネジを一旦軽く緩めてから左右のブレを調整しつつ締め直す。
私の持っている(安物しか持ってないが)デタッチャブルネックのギターの中では左右ブレも少ない印象。
ちゃんとチューニングしてネックの反りや弦高等を調整して終了。

サウンド

弾いてみた感じ、生音的には以前よりウエットな感じになった気がする。
「鳴ってる」という感じは少し減ったかね。
フレットを換えたのと、あと塗装が重めでかつ未だ完全には締まり切ってない所為もありそう。

アンプに通してみると、JB jr. がやっぱワウ半止めみたいな鼻詰まってるみたいな音で独特。
あとやっぱアルニコマグネットでフルサイズの、フツーの PAF 系のと比べるとセラミックの香りのする、ピッキングに対する反応がリミッター掛かってるみたいに平坦な感じはある。
この辺の感じはピックアップの高さを調整すると気にならないぐらいには持って行けるけど、欲しい出力との兼ね合いもあるし、結構シビアな調整になる。
シングルサイズハムはなんかピックアップの高さを少し変えただけで音がガラッと変わる傾向がある気がするんで、調整は大体いつもシビアだけど。
まあ好意的に言うなら高さ調整するだけで色んな音が出せる、ってことになるんだろうけど。
あと私は太い弦を張っているけど、音が密になり過ぎるので細い弦の方が合いそうな気がする。
little '59 は JB jr. よりは PAF 系に近い素直な音だけど、ピッキングに対する反応にどことなくセラミックの香りがする。
あとセンターはピックが当たるのが厭なので高さを結構下げるのだけれど、下げると音もモヤッとしてしまうし、一番良い音で鳴らせないフラストレーションはある。
パラレルにすると、パラレルっぽいジャキジャキした音になって、けど或程度ローも出てるしそんなに使い難い感じもしないし、まあコレはコレで。
どちらのピックアップもまあ悪くはないし使える音ではあるんだけど、今の私の感覚的には「せやねんコレが欲しかってん」という感じではない。
アンプでクランチというよりはディストーションペダルを踏みたくなる感じ。
そしてミニハムよ。
ストラトのフロントにミニハムという見た目が、ダサくなるかと思ったけど意外とシックリ来て良い。
寧ろシングルサイズハムがなんかダサい。
ミニハムは音的には普通のフルサイズのハムバッカーよりはシングルコイルっぽいし、シングルコイルよりはハムバッカーっぽい。
little '59 をフロントに載せてたときより濃密さが減って若干ライトでハイミッドが出るが、ローは余り硬くなくて意外とボワッと出る感じ。
カリカリにチューニングしてた Les Paul に載せてたときはローもコントロールし易かったけれど、このストラトは生音がウエット気味なので、ローが若干ボヤけてる気がする。
ピッキングに対する反応は、確っかりアタックも出るしダイナミクスの深みもあって私には使い易い。
センターにミニハムぐらいが音的には丁度好いのかも知れない。

ミックスは、リア+フロント にすると Gibson とかの2ハム系ミックスサウンドっぽい感じになる。
センター+フロント だと力強い系のストラトの センター+フロント みたいな音になるけど、この状態でセンターをパラレルにするとシャリッとした「ヴィンテージ出力」のストラトの センター+フロント ミックスみたいな感じになる。
まあ想像通りの音ですな。

ということで、JB jr. は交換したい・・・。
適当なフルサイズハムか、スタックタイプのノイズレスピックアップか辺りか。
でもストラトのリアがフルサイズのハムバッカーってのは、見た目的には、私はあんまり好きくないんよな・・・。
なのでスタックタイプのノイズレスピックアップかね。
或は DiMarzio の The Chopper も Fast Track も、マグネットはセラミックだけど音はそんなにセラミック臭くなかったと思うので、シングルサイズハムが駄目ってことはないのか。
でもブレードタイプは弦との距離を弦毎に変えられないのがなあ・・・まあでもそれは普通のロッドマグネットのシングルコイルでも一緒か。
慥か今 Epiphone の Les Paul SL に The Chopper が載ってると思うので、そいつを外してきてもいいかも。

Soundhouse
GIBSON Mini Humbucker
GIBSON Mini Humbucker
SCUD YM-50S
SCUD YM-50S
MONTREUX Tremolo spring set
MONTREUX Tremolo spring set
FERNANDES Stainless Screws for Pickguard Metric
FERNANDES Stainless Screws for Pickguard Metric