2019/11/14

ボリュームペダルのフルスイング化MOD、FV-30H & EXP-2篇

ギターのボリュームペダルよ。
特にハイインピーダンス用のヤツ。

今まであんなことこんなことをして、フルボリューム時の音質劣化(ハイがぼやける)を防いできた。
結果、音量を最小側に振り切ったときの音量が結構絞り切れてないぜ問題が引き起こされた訳だけれど、まあ絞り切れなくてもいいかと放置してきた。

でもやっぱ最小音量もコントロールしたい。
何故なら私はボリュームペダルをFuzz前に置いてFuzzの歪み量を調節する用に使っているからだ。
Big Muff 系のヤツを結構キツめに歪ませて、それをほぼクリーンからMax歪みまで、ボリュームペダルだけでコントロールしたい。
今まではボリュームペダル+手元のボリュームでなんとかやってきたけれど、それが面倒臭くなってきたのだ。

例えば 250kΩ の可変抵抗を使ってるボリュームペダルでも、最大音量-最小音量時に 0Ω から 250kΩ までフルに使ってる製品は恐らく無いんじゃね?
因みに私はフルボリューム時の Hot-Ground 間のインピーダンス低下を嫌って B1MΩ の可変抵抗器を使ってるけど。あとハイパスコンデンサ必須。

一般的な可変抵抗器を使ってる場合、その回転角は大体300±5°とかなんだけど、私の知る限り大体のボリュームペダル本体側は、機構的に180-270°程度しか回らないようになっている。
大体、可変抵抗器の回転角の真ん中より一寸だけ最小側に寄せて固定してあるのが多いように思える。

可変抵抗器自体をボリュームペダル内で回転させて固定することによって、最大音量側に振ったり最小音量側に振ったりすることはできるが、最大音量側に振ったらフルボリューム時の音質劣化は抑えられるが最小音量が大きくなり、逆に最小音量側に振ればフルボリューム時にボリュームを幾らか絞ったような状態になるが最小音量時に音を絞り切ることができる。
音痩せを嫌えば音漏れを我慢せねばならず、音漏れを嫌うなら音痩せは我慢せねばならない。
これを只お高い配線材使いましたとかハンダを変えましたとかやったところで高が知れててアホらしい。

でも私はフルボリューム時の音質劣化も厭だし、絞るときは絞り切りたいのだ。
フルスイングで使いたいのだ。

最小音量が小さ過ぎるってんなら、可変抵抗器を追加で一個突っ込めばいいだけなんだけど。
でも最小音量が残り過ぎるときにはそう簡単にはいかない。

一応、1軸2連の 500kΩ x2 の可変抵抗器を使って、1pin を入力、4pin を出力にして、2-5pin を繋ぎ、3-6pin は繋いでグランド、とすると、入力側のグランド間インピーダンスは振れるけど、一応最小音量時の抵抗比が普通の可変抵抗器に比べて1/4になる筈。
でも実際やってみて、体感音量的には少ししか変わらんかった。
つうか1/4とかdB的には誤差。

Roland のめっちゃ古くてめっちゃデカいボリュームペダル(ローインピーダンス用だけど)でお馴染みの FV-2 を昔中古で買ったことがあるんだけど、アレ可変抵抗器が90°ぐらいしか回らないのに、その割にはちゃんと動作してる。
20kΩ の可変抵抗器を使ってるんだけど、私のは一応最大音量時には入力-出力間が 1kΩ ぐらい残ってしまってるけど最小音量時に出力-Ground間が 80Ω ぐらいになってた。
よく見ると可変抵抗器が TOCOS のヤツで「特殊カーブ」って書いてある。
ううむ。やっぱ特注の可変抵抗器じゃないとあかんのか・・・。

いやでもよ。

EXP-2

取り敢えず、KORG の EXP-2 を中古で買ってきた。
ボリュームペダルちゃうけど。
まあでも機構は使えるだろうと。
中を開けると、本体のストロークは最大-最小で可変抵抗器を大体180°ぐらい回転させる感じか。ちゃんと計ってないけど。
1軸2連で 特100kΩ & B50kΩ の特殊モノだけど、可変抵抗器自体の回転角は普通の300°のヤツ。
特殊カーブはどんかんか調べてない。Wカーブ(シグモイド曲線っぽいヤツ)か何かか?
因みにミニマムボリューム付きで、それは 50kΩ の スライダーポット。

この1軸2連のヤツを、MN型の バランサーポット に交換して片方だけ使ったらなんか良い感じじゃね?
バランサーポット 片方だけってことは、全体で300°なので150°で 0-500kΩ までフルスイングってことだ。一寸回転角が余るけど。
つうことで、B500kΩ の バランサーポット 買ってきて、EXP-2 に組み込む。
ギアは φ6 のミリサイズローレット差し込み型なので、SCUD とかでよく売られている ALPHA のローレットシャフト(スプリットシャフト)の バランサーポット が使える。

Fullswing EXP-2
Fullswing EXP-2 posted by (C)Ludwig D. Omen
キーボードがホコリだらけなのがバレる・・・。

ハイパスは 510pF で、50kΩ の スライダーポット をそのまま使って バランサーポット-グランド 間に挟んでミニマムボリュームにしている。
Output2 (写真上の左側のジャック)はチューナーアウトにした。使わんけど。
踵側の緩衝フェルトを取り去って、最小音量時にできるだけ 0Ω に近くなるようにギア設定する。
フェルトを取り去らないで 0Ω 近くに設定すると踵側に強く踏み込んだときに バランサーポット に変な力がかかって壊れそうだし、それを嫌って踵側に強く踏み込んだ状態で 0Ω 近くになるように設定すると強く踏み込み続けないと音が絞り切れなくなるので、フェルトは必ず取り去ること。
0Ω の状態から音量を上げていくとMaxちょい前でクリック感があり、それ以降全部が最大音量となる。

取り敢えずこれでフルスイング化できた。
但、ストロークがビミョウに狭くなってるのとプラスチックの棒ギアがガタつくので、微妙な調整は一寸慣れが必要。
バランサーポット の方にもうちょい歯数の多い(太い)ギアが使えれば、踏み込んだときに丁度最大音量になるようにできるかも知れない。けど丁度良いローレット差し込みのギアってあんまし売ってない。

FV-30H

序でに愛用しているFV-30Hの方もアップデートしとこうかと。
ALPS の B1MΩ のソリッドシャフトの可変抵抗器を使う。
シャフトを削ってD型にしておく。
あのときやったように、可変抵抗器に導電性塗料を塗る。Noise Hell。
可変抵抗器のカバー外して、そのままだと Noise Hell が乗らないので黒い抵抗体のところを一寸削り、ラッカー薄め液で脱脂。
Noise Hell のカーボン版のヤツをラッカー薄め液で一寸溶いて薄めて一回塗って、乾燥したら薄めないヤツを塗る。
最小音量時に出力-グランド間が 100Ω を下回るぐらいになるように塗る。
1MΩ に対して 100Ω ぐらいだと、ゲインガリガリの Fuzz を ON にしても、かすかにギターの音が聞こえる、というぐらいの音量になる。
最小音量時に可変抵抗器のブラシがギリ塗面にかからないようにすることで、耐久性を確保する。
でも 100Ω ってめっちゃギリギリ攻めないと不可ない。
古い写真だしこれは銅の Noise Hell を塗ってるけど(一寸赤銅色っぽく見える部分)、大体こんな感じになる。

で、カバーを戻してスペシャル可変抵抗器完成。
大体全体で900kΩちょい下回るぐらいになった。

Fullswing FV-30H
Fullswing FV-30H posted by (C)Ludwig D. Omen

なんとなく 680pF のハイパスを付ける。
あと序でに 20kΩ のミニマムボリュームを追加する。
写真では 5kΩ だけど、ちょいビミョウ過ぎたのでこの後 20kΩ のに変えた。あとシャフトの削りをミスって可変抵抗器が結構傾いて了っている。
配線は少し前までノイズ対策としてシールド線を使ってたけど、アルミ筐体内だと効果がビミョウだったのと線が太いのと芯線の被覆が融け易くて面倒臭くなってきたので、普通の単芯の撚り線にしといた。

これでバリバリの Big Muff を ON にしながら、そしてギターのボリュームも最大にしたまま、ボリュームペダルのみでクリーンまで絞り切る、みたいなことができるようになったという訳だ。


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