2023/07/16

ギターブリッジサドル素材考:Gibson Les Paul & Fender Telecaster

一般的に言って、ギターの音に不満があるとき、弦の種類やゲージを変えたり弦高を変えたりピックを変えたりピックアップ高さを変えたりピックアップ自体を替えたり・・・と色々できることはあって、それぞれ音の変わるポイントが違う。
例えばピックを変えることで、ピックアップの高さの変化によって引き起こされるギターの音の変化をそのまま再現できる訳ではない。(似た変化を引き起こすことはできることもあるけれども。)
これらのパラメータはお互い複雑に絡まり合っており、或ギター個体で行った調整量から得られた音の変化は、他のギター個体について同じように調整したからといって全く同じ結果が得られるものでもない。
とはいえ、「経験と勘」によって或程度の推測はすることができる程度には似た変化が起こることが多い。
でもアテが外れることもある。
そうやって試行錯誤しながら、自分の思い描く音楽が奏でられるように、ギターの細かいアレやコレやを弄るのは楽しいものである。

色々と音の調整方法はある中で、ブリッジサドルは、弦が直接触れるだけあって、この材質を変えるだけでも意外と出音に影響するもので。
音の根幹が変わるものではないけれども、「あと一寸どうにかならんか」ぐらいは叶えてくれる可能性がある。
それに、ABR-1 の小さなサドルであれ Telecaster の大きな3サドルであれ、或は Stratocaster タイプのサドルであれ、同じサドルの素材に変えると結構似た傾向の音の変化として現れるのも面白い。
サドルの質量だけでなく、比重や剛性や靭性等々のその素材自体が持つ特性も音に影響する要素となっているものと思われる。

まあでも例えば「アルミ」と一口に言っても、A1050 や A5056 等の種類があって、それぞれ特性も割と違うので、恐らくこれも多少は音にも影響するのだろうけれども。
例えば同じブラスサドルで同じ Telecaster 用のものでも Gotoh のものと Montreux のもので、Gotoh のものの方が少し硬度高そうな「ブラス」を使っていて、思いの外音が変わったりする、ということもある。

-----
Gibson Les Paul。
元々は Gibson ABR-1 でブラスサドル が付いていて音的には気に入ってたんだけど、1弦が切れまくったので、サドルだけブラスの新しいのに交換して溝切りし直そうと思ったけど良い感じのブラスサドルだけが売ってなくて、結局なんやかんやで TonePros の Schaller タイプのに交換してた。
昔は Gibson ABR-1 交換用のブラスサドルが、慥か Schaller 製とかの結構シッカリしたヤツが売ってたと思うんだけど、最近 Gibson ABR-1(インチサイズ)の交換用の良い感じ(値段&クオリティ)のブラスサドルってなんか見当たらないんよね・・・。サドルだけ別売りしてるヤツで。
TonePros のブリッジに交換した当時は Les Paul に 0.011 のセットの弦を主に張っていて、音的にも重くなりがちだったので、元の ABR-1 よりほんの少し音が硬く締まって良くなったか、まあ悪い感じにはならなったので、それなりに気に入って使ってた。

でも最近、Les Paul に 0.009 のセットを貼ることが多くなってきたんよね。
安定して弾き易いのは 0.011 のセットなんだけど、0.009 のセットの方が音的には好み。
音質的な強弱の付き方が、0.011 のセットと 0.009 のセットで、まあそれぞれ特徴があって違ってるんだけど、私は 0.009 のセットの方が好き。
特に6弦を強く弾いたときの暴れる感じは 0.009 のセット(0.042)特有のもので、それが好きなのです。
あとこれまでは 0.011 のセットぐらいの質量がないとボディが鳴ってる感が無かったけど、最近やっと 0.009 のセットでもちゃんと鳴るようになってきたのもある。

でも 0.009 のセットだと、一寸高音弦側の音がシャリッとし過ぎだしもう一寸ミッドにパンチがほしいんだよな・・・となりまして。
テールピースが、元々アルミだったのを亜鉛製に交換してるので、そっちを元に戻すということも考えたのだけど、なんか期待した音にならなさそう。
サドルがブラス製になれば良くなりそうな気がするんだけどな・・・。

ってことで、色々探してたんだけど、なんか良さげな感じのブラスの交換用サドルが売ってなくて。
Schaller タイプのはモチロン、ABR-1 のもやっぱ見つからない。
と思ってたら SCAD がブラスサドルの GE104B 特注品作って売ってた。Amazon に売ってた。
Gotoh の特注品で、GE104B のサドルを溝切り無し(サドルの真ん中に浅い溝がガイド的に切ってある)でメッキ無しブラス(元々は多分亜鉛)にして R を R=300(Gibson でよくある R=305 に近い数値、元々は R=400)にしたヤツ。
ナニコレ私の為のヤツやん。
Gotoh の GE104B は安いしカッチリしててどこかがビビるようなことも無いので、私も昔からちょいちょい買っては自分のギターに載せてたんだけど、サドルの溝が切ってあるのと素材が亜鉛なのが気に入らず、結局使わなくなったりしてたんよね・・・。

因みに一応、サドルだけじゃなくてブリッジごと交換するなら Montreux や本家 Gibson の ABR-1 が買える。ブラスサドルのヤツ。
けど今回はカッチリした Gotoh のヤツで行こうかと。
一寸物珍しさもある。

てことで、買って Les Paul に乗せてみた。
序でにいつも通り、ブリッジポストの穴の横から穴開けてタップ切ってイモネジ入れて、ブリッジポストに固定できるようにして弦高が勝手に変わらないようにしてる。

結果。
音的には・・・まあブッチャケそんなに大きく変わるものではない。知ってた。
そんなに大きく音が変わる訳ではないが、でも高音弦のシャリ感は減って、ミッドが多少出るようになって、狙い通りで大満足。
あとブラスサドルにメッキがしてなくてそこだけ真鍮色なんだけど、まあそんなに違和感無いかな。
まあ他でもニッケルメッキだったりクロームメッキだったり鉄が錆びてたりステンレスだったりしてるしな。

つうことで、Gotoh にはコレを量産して頂いて。

-----
Fender Telecaster。
American Professional II で、ブリッジは新しいタイプの 3サドルブリッジで、弦をトップロードできるヤツ。
ネジ位置が変わった関係で、昔ながらのタイプのブリッジでやるトップロードよりは弦の折れ曲がり角度が浅くなり、よりトップロードっぽさが出るヤツ。
張る弦にも拠るけど、大体私はトップロードで張ってる。

元々はオクターブ補正済みのブラス製ブリッジが載ってたんだけど、イモネジの位置の関係でなんか良い感じに弦の左右位置が等間隔にできず、Wilkinson タイプのブラスのブリッジに交換してた。
弦は 0.011 のセットを貼ってるんだけど、なんか大人しいんよね・・・。
発音がキレイ過ぎるというか。
もうちょいドンシャリになって欲しい。
そうすると歪ませたときにもっとブリブリするハズ。

ってことで、ハイ、またブリッジ交換です。
Wilkinson タイプの鉄のブリッジを交換した。
以前はこのタイプのものはブラス製しか無かったけど、近年では鉄やアルミ製のが手に入るようになって嬉しい。
ちなみに Telecaster Thinline には現在はアルミのヤツを使ってる。

サドル高さ調整用のイモネジは、鉄の M3x10 のヤツからステンレスの M3x8 のに交換した。
ステンレスなのは錆びてネジが回らなくなったらイヤなのと、8mm にしたは 10mm だと1弦のイモネジが飛び出て怪我しそうだったので。
あと弦の左右位置がブレないように、軽く溝を切っている。

で、結果。
狙い通りよ。
ハイとローの帯域が広がって、ミッドが少し減った感じ。
6弦なんかブリブリよ。
でも1-2弦はブラスでもいいかな?
ブラスの方がドッシリ感はある。
甲乙付け難い。

因みに 0.010 のセット以下のゲージだと多分全ブラスの方が良いような気がする。

ということで、ブリッジは何でもかんでもブラスにすれば良い訳ではないことを学んだ。
ブラス、なんか好きなんだけども。

-----

Soundhouse
Gotoh GE104B
Gotoh GE104B
Fender 3-Saddle Bridge
Fender 3-Saddle Bridge
MONTREUX Compensated Brass Tele saddle set
MONTREUX Compensated Brass Tele saddle
MONTREUX Compensated Steel Tele saddle set
MONTREUX Compensated Steel Tele saddle

2023/04/20

夢日記:バベルの塔

ずっと昔、「バベルの塔」という巨大な建造物があったという伝承は、学問を志す者達の間では概ね事実として受け入れらはじめている。
それは AKIRA-攻殻機動隊-エヴァンゲリヲンの東京みたいな感じで日本の平野部のひとつが丸々潰れるほどの大きさだった。
然し今ではそれは完全に地中に埋もれてしまっており、それがどこにあったのかも分からない。
バベルの塔の時代から一度文明が途切れてしまっていて、当時のことは数少ない伝承から類推する他、ほぼ全く解っていないと言える。
バベルの塔が建造された時代は、大正~インディージョーンズぐらいの時代感である現代よりもずっと「発達した文明」であったと謂われている。
併し「発達した文明」とはどういう状態のことを指すのか?
所謂機械文明云々といったものだけでなく、もっと人間本性(と我々が呼びたがっている諸性質)の根本的な転換を伴うような状態であったに違いないと、私は思っている。
まあそんなことを言ってるから主流派閥の出世街道から外れてしまったのだろう。
さっきもバリバリ出世街道邁進中の古い友人から、友情と虚栄心とが混じり合った、叱咤激励とも嫌味ともつかぬ話をクドクドと聞かされたところだ。

伝承では29人の天才がバベルの塔の建造に関わったと謂われている。

私の以前世話になった或学者が、最近、或公園の片隅に位置する現場を発掘して何かを発見した、と打ち明けてきた。
この話は未だ公にはなっていない。
私は彼の発掘現場を密かに訪ねることにした。
そこにはミイラとも化石ともつかぬ状態で発掘された死体が22体、積まれていた。
彼はそれをしばらく発表せずに自分の研究の為に独占しようかと迷っているようだった。
私が渋い顔をしていると、彼は彼の研究の成果として、長机の上に皿を置き、その皿の上で何かを燃やした。
アルコール系の炎で、色は黄色かった。
その炎が揺らめいている皿を机の上で前後左右に動かして見せ、私の目を見て「な?」と言った。
そうか。そういうことか。
これなら単純な三角測量法で判る。
つまりバベルの塔は、名古屋にあったのか。

私は早速名古屋を探検する準備をしなければならない。
Aナントカ Hunting という、高級探検グッズブランドの店で諸々揃えることにした。
このブランドは、今でこそ一般向けのファッション商品が主体だが、古くは探検グッズで身を立てた歴史あるブランドだ。
ここで名古屋の探検用の地図と、あと探検用の鞄を買わなければならない。
今使っているのはボロボロだ。
昔 3,500円 ぐらいで買った安物だけど、モノはシッカリしていて気に入っていたのだ。
店員にそんなことを話すと、そんなあなたにと言って定価 7,000円 の、その店では一番安い部類の鞄を勧められた。
その店の「普通」ぐらいの鞄が 10万円 を下らないので、かなり安い。
店員の話では、結局こういうのが一番強くて本当の探検で使うには良いのだそうだ。
じゃあそれ貰いますと言うと、店員が一寸待ってと言って値札を 3,980円 に書き換えてくれた。
前の鞄を「本来の」探検の使い方でボロボロになるまで使ってくれたのが嬉しい、ということだった。

・・・という夢を見た。
物語を三人称視点で作りながらそれを一人称視点で体験する系の夢だった。

-----
選挙中の街宣車というものは、アレは多分、マトモな神経を持った有権者が日本の政治に対して絶望して投票率が下がるように仕向ける為にやってるんだな。
アレなんかそいういうインボー的なヤツじゃね?
それ以外にわざわざコスト掛けて、他の価値ある仕事ができた(かどうか知らんけど)時間を費やしてまで、精々唯の糞近所迷惑程度にしかならないアレをやる理由が、一寸想像できない。
或はなんかアレか?そのコスト分がなんか公職選挙法に違反しない形の何かしらの賄賂的なヤツになってるとかか?でないと説明付かなくね?

つうかあいつらマジ自分の仕事が何で評価されるべきだと思ってるんだろう?
どのようにして有権者が自分の票に書く名前を選択するのが正当な仕方だと思っているんだろう?

2023/02/27

他力本願ビジネスアイディア 2選

ChatGPT 以降、対話型 AI の注目度が一気に上がった感じがする。
今までは何か調べ物をするには先ず Google 先生に訊く感じだったのが、最近は一旦対話型 AI サービスで訊いて、不足があれば Google 先生に訊く、みたいなことがそこそこある。
目的の知識を得るのに、Web ページを検索するという手間を一つ省くような感じ。
でもなんか、コレが私の生活として、或は社会の文化として根付くにはもうワンステップ足りないような気もする。

ほんで。話変わるけど。
検索 - 対話型 AI で言うと、対話型 AI 的な感じで Amazon の商品検索ができたらいいのに。
Amazon の商品検索って、従来の検索エンジンとしては結構優秀な気はするんだけど、その検索エンジンを以てしても、その商品についての「Amazon 検索エンジン的に検索可能な」情報を知らないと Amazon が扱う大量の商品群の中で自分の要求に最も適合する商品を探すのって非常に難しいんよね。
探すの時間掛かるし。
商品情報について予めそれなりに知っている必要があるし。
多数の「コレジャナイ」の中から一つを自分で探し出して選択しなければならないし。つうかスパムみたいな商品も山程ヒットするし。
或は Amazon に自分の要求を満たすものが売ってない場合、それが無いことを知るのにも手間と時間が掛かる。
Amazon で商品探すのって、20年前は新しかったんだけど、今となっては結構ストレスフルなんよね。

つうことで、Amazon の商品探すの、AI とかでなんとかならんもんかね。
誰かいい感じのモノを作ってくれんかなあ・・・。

-----
以前、コロナに罹って、土日挟んで治りかけたぐらいのタイミングで病院に行った。
主に、「治療を開始したと認む」と印刷された A4 コピー用紙一枚 3,000 円でお馴染みの診断書がどうしても必要だったので。
受付を済ませて20分ぐらい屋外で待機、5分ぐらい問診を受けて、金払うまで1時間以上屋外で待機。
その日は私のフルマックスの装備をしても凍える程度には寒かったので、完全に悪化する。
そして今だに咳の後遺症に悩まされる。
この世の全てが無駄。

誰か一寸はマシな医療事務システムでも作ってくれへんかな・・・。マジで。

2023/01/17

RIP

Jeff Beck。
高橋幸宏。
今年はどこのライブハウスでも Blue Wind や Rydeen が演奏されない日は無いだろう。

まだちゃんと整理できてなくて、他人事のように感じられる。

2022/11/05

Elixir と D'Addario XS の比較:寿命編

D'Addario の新しいコーティング弦、XS。
Elixir の同じゲージに比べて、張りたてはなんか粘っこくて、左手が重くて右手は逆にピック離れが悪い感じがしたけど、3日も張っといたら左手の感じも右手の感じも Elixir に比べて柔らかい感じになった。
まあ他の弦と比べてもタッチは平均的ぐらいの感じで、若干粘りが強い部類かな、ぐらいの感じ。
Elixir みたいな硬さはない。
音は張りと力強さがあって、でもシャリシャリせず、フレットのバズ音も気にならない。
ブリブリしてて私好みの音。
私的には、Telecaster には合うけど Les Paul はそれ程でもない感じだった。

つうことで、これがそこそこ長寿命なら、コストの面からしぶしぶ使ってる Elixir の代わりに使えるんじゃないか、という話。

2ヶ月程使ってみたんだけど、まあ頻繁に弾くなら寿命は最大 1ヶ月ってトコかね。
余り弾かなければ 2ヶ月ぐらいは保つかなあ、ぐらいの感じ。
やっぱプレーン弦のコーティングが剥がれて先に黒くなって死んでいく。
あと寿命近くになると急激に巻弦の音がダルダルになってくる。
音は張ってから大体 2-3日ぐらいで落ち着いて、そこから寿命直前まで緩やかに変化して、寿命が来ると急激にダルダルになってくる、という感じ。

つうことで、普通の弦に比べると大分長く保つけど、半年張りっ放しにできる Elixir に比べると弱いかなあ、という感じ。
値段も今大体 1セット 1,800円 ぐらいで Elixir より高いので、まあ今は乗り換えないかな・・・。
まあこの値段ならフツーに私の愛する Ernie Ball を買ってダマシダマシ 2週間ぐらい使っていく方が安く付くんよな。

2022/08/25

Elixir と D'Addario XS の比較:寿命以外

弦。
長寿命が魅力的過ぎるでお馴染みの Elixir の Nanoweb か Optiweb を使ってるんだけど、音的には余り気に入ってはいない。
ホントウは、音は Ernie Ball が好きなんだけれど。
でも Ernie Ball は一瞬で錆びてしまう。
ぶっちゃけ Ernie Ball の弦が死んでるときの音もまあ嫌いではないのだけれど、張りっ放しで放っとくとプレーン弦とかすぐ錆びるし、錆びた弦のフレットへの影響とかを考えると、まあ長く張って2週間というところか。
太いゲージの弦ならもうちょい保つかもだけど、0.009 のゲージとかだとまあ精々そんなもんかと。
Elixir は1セット当たり Ernie Ball の倍ぐらいの値段だが、平気で3ヶ月とか保つし、そんなに弾かないギターだと1年以上同じ弦を張りっぱなしってのも珍しくない。
つうことで、お財布的な意味では Elixir がお得。
お得なんだけど、音があんま好きじゃないんよな・・・。

音も悪いとか使えないという訳じゃない。
弦の暴れ感を減らしたいとかフラットで硬い音を出したいとかスムースなディストーションとかには逆にマッチしそうだし。
単に好みの問題だけど、Elixir は Elixir の音がする Elixir しかない。
Elixir の長持ち技術で作られた Ernie Ball とか Ernie Ball の音がする Elixir がある訳ではない。
合うギターには合うだろうし、合わないギターには合わないだろうし。
そして私の最近買った Telecaster には絶望的に合わない。

Elixir 以外にもコーティング弦は各社から色々出てはいるんだけど、ホントにちゃんと3ヶ月とか半年とか保つのは Elixir しか知らない。
他になんか錆び難い、私の懐に優しい弦は無いんかと。
そろそろ Elixir の独壇場が崩れてもいいんじゃないかと。

と思ってたら、D'Addario がなんかやってるっぽい。
ギター弦としては新採用の素材である高炭素鋼で作った NYXL シリーズが出てもう何年も経ったが、それをプレーン弦も含めてコーティング弦にした XT シリーズが数年前に出てた。
巻弦の、巻いてる鋼材自体にコーティングして、そのコーティングしたヤツを芯線に巻いてる、ってヤツ。
でも噂では XT シリーズも保ちはそれ程ではなく、まあ少なくとも Elixir と比較する程のものではないらしいってことで、私も結局使わず仕舞い。
と思ってたら、いつの間にやら XS シリーズってのが出てる。
巻弦のコーティング方式を Elixir と同じように弦全体をコーティングするタイプにしたらしい。
プレーン弦は従来の XT と同じコーティングっぽい。
因みに Elixir のプレーン弦はコーティングじゃなくてそもそも錆び難い素材(或いはメッキ?)で作ってるという違いがある。
なんか XS シリーズの巻弦、長持ちしそうやん?
この XS/XT シリーズのプレーン弦が Elixir と同等ぐらいに保つのであれば、多分 Elixir の代わりになりそうですやん?
ということで、買ってみることにした。
今のところ、大体どこでも1セット 1,800円 ぐらいで結構高い。

Telecaster に 0.010 のセット、Les Paul に 0.011 のセットを張ってみた。
ちなみにTelecaster はトップロードじゃなくて一般的な裏通し。

プレーン弦がめっちゃツルツルしてる。
1弦を張るときに私はいつもペグ(ロックペグ)に弦を真っ直ぐに通した状態で弦がピンと張るように引っ張りながらロックするんだけど、ツルツル滑ってあんまり強く引っ張れなかった。
けど張って弾いてみると、別に指が滑って弾き難いような感じはしなかった。
巻弦は Elixir と似たような感じ。普通。
コーティング無しの普通の弦よりは若干滑りが良いかな、ぐらいの感じ。

両方、生音的には思った程には変化が感じられなかった。
XS の方が若干ドライな感じで、より軽さを感じるかな、ぐらい。
あと若干生音の音量が大きく聞こえるのとボディの鳴り感が増える気がする。
これはなんとなく弦の音質の所為でそう聞こえるだけな気がする。

でもピックアップを通すと、XS の方が断然ダークで「普通」っぽい。
Nanoweb よりダーク。
直接比べた訳じゃないんで判らないけど、なんとなく普通の D'Addario よりダークな気がする。
プレーン弦も巻弦も、Elixir のあのシャリシャリしたハイが無くて好い。
ピックアップを通すと Elixir よりドライ、という感じは生音程じゃないけど感じられる。
Elixir が硬くてウェットな音で、XS がドライでダーク。
音程も XS の方が捉え易い。
XS は Elixir を半ゲージ上げたような音かね。
でも XS の方が音の密度が低いように感じる。
Telecaster にはめっちゃ合う。
けど Les Paul には少し重苦しい感じだった。
Les Paul にはもう一つ下のゲージでもいいかも知れん。

あとほんの少しだけど、Telecaster の3-4弦の音量差問題が多少マシな気がする。

チューニング安定性は、Elixir も良い方だけれど、XS の方が若干早く安定する感じ。
ブリッジ付近で曲がりと摩擦の多い Telecaster でも割とすぐ安定する。

弾いた感じだけど、なんか独特のタッチ感。
左手は若干硬めの Elixir を更に半ゲージ上げたかのような「重さ」がある。
チョーキングも力の入れ方に対して思った程音程が上がらないような感じがする。
特にプレーン弦。
でも「硬い」って感じでもない。靭性が高い感じ。
右手は、逆に半ゲージ落としたかのような、柔らかさというか「粘り」を感じる。
思ったよりピックに負ける感じ。
ガシガシ弾くには良さげだけど、私のように硬いピック(Ultex Jazz III)を使ってチマチマ弾こうとすると、若干ピックに纏わり付く感が増える。

つうことで XS の感想:
  • 音は落ち着きと力強さがあって割と好み。Elixir (Nanoweb、Optiwab) よりは好き。
  • 演奏性は Elixir の方が一寸だけ好み。でもまあ「普通の弦」の範疇と思われる。
あとはどのくらい長い期間張り替えずに使うことができるかってとこか。
ここが一番大事なんだけど、まだ張って1週間も経ってないので。
因みに・・・Telecaster の1弦 0.010 の弦、既にチョーキングの跡が付いていて、フレットとの摩擦にほんのりと「あ、ここコーティング剥がれてるわ」感を指先に感じないではない。
やっぱプレーン弦からダメになるのか?
発売初期の Elixir みたいに「巻弦コーティングしてもプレーン弦が錆びるから、セットの寿命としては普通の弦と同じじゃね?」に近いことが起こるのか。或は起こらないのか。

2022/08/14

Fender Telecaster American Professional II を買ってソッコー手を入れる

自分A:よくやった。褒美を取らす。何を求むるか。
自分B:ハッ、Telecaster を賜り度く。
自分A:望むままに。

ということで、或褒美として、またギターを買った。
Fender Telecaster American Professional II。
ホントはローズウッド指板のが欲しかった筈なんだけど、血迷ってメイプル指板のを買ってしまった。
私は常に選択を間違える。

ローステッドパインボディ。軽い。
アッシュよりも軽い感じの音がする気がする。
アルダーボディ + ローズウッド指板のに比べると、若干パワー感はあるけど全体的に一寸軽いかな、という感じだった。
アルダーボディ + ローズウッド指板の方が大人しくてフラットで腰低めな感じ。
まあでもアンプの設定とかピックアップの高さとかでどうにでもなりそうな程度の違いだったので、見た目と弾き心地が好かったローズウッド指板にしときゃよかったと後悔している。
まあでも新品の状態の所為もあるのか、現状ボディはあんまし鳴ってない感じがする。
全体的に音はタイトめ。
鳴りだすといい感じになりそうな気配はる。けど今はあんま鳴ってない。

ネックはかなりシッカリ感がある。
最近流行り?のゴツめネック。
握った瞬間、「お、ゴツい」となる。
Gibson の 50's ぐらいの厚みでより丸みを感じさせる、ぐらいの感じ。
但、太くて弾き難いという感じはそんなにしなくて、指の短い私にも特にはストレスも感じない。

ピックアップ。
V-Mod ってヤツで、フロントのプレーン弦だけ AlNiCo II で他は AlNiCo V のヤツ。
フロントはそのおかげもあってか結構スッキリしてる印象。
多分私の知ってる Telecaster 用のフロントで一番スッキリしてる。
フロントは高さ調整ネジがピックガード上に出てるのでセッティングが楽。
リアもクリア系で、下手に歪ますとシャリシャリしそうなので若干アンプを選ぶ気がする。
Texas Special みたいに「このピックアップの音」みたいな主張が少ない、優等生タイプな感じ。
両方ともクリーンが強い系かね。
あんまり昔ながらの Telecaster っぽくない、今寄りの音な印象。
ノイズは思ったより拾わない。
あとポールピースがフラットなピックアップの運命として、3弦の音がデカく4弦の音が小さい。
コレが一番のネック。
そのうち交換したい。
フロントはミニハムでリアはスタックハムとか・・・。

つうことで早速改造&調整よ。
やったこと:
  • ペグは Fender のロック式、全部背の低いタイプのヤツに交換
  • ストリングリテイナーは Gotoh の俵型に交換
  • ストラップピンは Gotoh のでかいヤツに交換 + Harry's のゴムの輪っか
  • ブリッジサドルを Gotoh のヤツに交換 + 弦ピッチを一定にする為に削る・・・
  • と見せかけて結局 Wilkinson のちょー古いヤツを載せる
  • ピックガードのネジをステンレス製に
  • コントロールプレートを Goldo の T1.6 の、ピックアップセレクターとボリュームが離れてるタイプのに交換
  • ピックアップケーブルをフロント、リア共2芯シールド線に交換
  • ピックアップセレクターを4ポジションのに交換、シリーズ配線可
  • ボリューム Pot をTOCOS の 250kΩ のに交換、1000pF + 22kΩ 直列のハイパス
  • トーンは Bourns の 500kΩ push-pull のに交換、リアのフェイズスイッチ、Greasebucket 回路
  • できるだけ1点アース
  • micro tilt で一寸だけネック仕込み角を付ける
  • 弦は 0.011 のセットでトップロード
という感じ。

部品交換系


ペグ

ペグはロック式しか使いたくない。
21世紀にもなって20年以上経ってるのにポストに弦をぐるぐる巻き付けてられない。
ロック式ならチューニングも安定するし、弦交換も一瞬。
私のギターはほぼロック式が付いてる。
つうことで、Fender 謹製のロックペグの全部背の低いタイプのを買った。
All Short Post ってヤツ。

Fender のロックペグには余り良い印象が無い。
昔買った Fender の普通のタイプのロックペグは、ロックペグじゃない方の近年型の普通のペグと同じ形をしてて、巻弦用の分が背の高いタイプになってるんだけど、それだとナットのところで角度がつかなくてめっちゃ厭。
なのでプレーン弦用と巻弦用とを逆にして、3-4弦にもストリングリテイナーを入れて誤魔化して使ってたりした。
あとロック機構がなんかヌルくて、弦がすぐ抜けそうになるのでめっちゃ締め込まないといけなかったり。
ホントはカッチリロックできてかつギヤ比的にもチューニングが追い込み易くて気に入ってる Sperzel か、次点で Gotoh の マグナムロックトラッドが良いのだけれど。
でも今回買った Telecaster に無加工で取り付けようと思ったら Fender のしか選択肢が無い。
但、幸いにも6本共背が低いタイプのがいつの間にか出てたので、そして多少値段も安かったので、買ってみた。

買ってみて、結果的には満足のいくものだった。
ポン付けで取り付けられたし、今回買ったのはロック機構もシッカリ弦を固定することができて普通に使える。

ストリングリテイナー

元々付いてたヤツはなんか見慣れないT字のヤツで、新設計な雰囲気だけど、なんかイマイチ弦の滑りが良さそうに見えない。
つうことで取り敢えず Gotoh の俵型のヤツ (RG30) を取り付けておく。
まあお守り程度に。

ストラップピン

元々付いてたヤツも新設計な雰囲気で、昔ながらの形なんだけど根本辺りが幅 2.5mm 深さ2.5mm 程度の溝状になっててストラップが抜け難くなってそうに見える。
けど幅 2.5mm の溝ぐらいだと、例えばみんな大好き Ernie Ball のペラいヤツとかなら溝に落とせそうだけど、私お好みの Levy's のコットンストラップのゴツいヤツ (MSSC8) とかは厚過ぎて折角の溝に落とし込めなさそう。
つうことでこれも私が最近気に入って使っている Gotoh のデカいストラップピン (EP-B3) に交換した。
これに Harry's のゴムの輪っかを付けとけば、まあ抜けることは無い。
ネジが緩みがちなロック式ストラップピンよりも安心で安上がりだし、シールドも挟めるし。

ブリッジサドル

元々付いてたブリッジサドルも Compensated Bullet Saddle とか言って、オクターブ補正されたヤツなんだけど、これがどうやっても弦ピッチを一定にできない。
指板Rに対応する為に 3-4弦用のサドルの左右を斜めに削ったりもしたんだけど、弦ピッチを一定にしようとするとどうやっても何れかの弦がイモネジの上に乗る。
多分そもそもイモネジの穴位置がおかしいのと、インチサイズのイモネジ自体がデカくてネジ穴のバリ取りテーパーもデカ過ぎ、の所為。
形的にも結構気に入ってたんだけど、泣く泣く Gotoh の In-Tune BS に交換する。
音的には In-Tune BS の方が若干硬さを感じる気がする・・・。
In-Tune も指板がフラットならそのまま使えるんだけど、Rの付いた指板で弦ピッチを一定に合わせようとすると3-4弦用のサドルの左右を斜めに削る必要がある。

In-Tune はひとつのサドルの幅が 21.5mm で1-2弦、3-4弦、5-6弦間のピッチが 10.8mm で決まってしまっていて、更にサドル同士を真っ直ぐピッタリくっ付けたときに(正確には 0.1mm 離したときに)2-3弦、4-5弦間も 10.8mm になる。
これがRのある指板に合わせてサドルを斜めになると、2-3弦、4-5弦間が開いてしまって、Rが強いとそれが結構気になるレベルになるのだ。
弦ピッチが合ってるのと合ってないのでは弾き易さがダンチなのです。

あとブリッジプレートに1弦と6弦のサドルのイモネジが乗る溝が切ってあるんだけど、Gotoh の In-Tune を使って弦ピッチを一定にする場合は1弦のイモネジがこの溝からハミ出して収まらなかったりするよ問題が出てくる・・・。

Wilkinson とか Montreux が売ってる切りっ放しのタイプだとサドルを削ったりブリッジプレートの溝にイモネジが乗らない問題を気にする必要が無くていいんだけど、こんどはサドルの上で弦が動く問題が発生して、サドル上で弦の溝を切る必要が出て来たりする・・・。
でもまあ安全で簡単なのはこの切りっ放しタイプを使う方かね。
ミスった。

つうことで、ちょー古い Wilkinson のブラスのブリッジサドルが出てきたので、そいつを載せることにする。
緑青出まくりのサビサビのヤツで、触ると手がサビ臭くなる。
多分以前 Telecaster Thinline に使ってたヤツ。
よく見ると以前自分で2弦部と3弦部を削ってオクターブを再補正したような跡がある。
このオクターブ再補正してる分が今の American Professional II には合わなくて In-Tune と較べて若干オクターブズレが強くなってしまっているが、音的には硬さが抜けて好くなった。
意外と変わるもんやね。
In-Tune BS より若干重量が軽いのかも。
あと In-Tune BS の方が硬度が高い感じがする。なんか削り難かったし。
サドルの幅も若干短いのでサドル同士が接触することも無く、またサドル上の弦の位置も自由に設定できるので、目視で弦ピッチが決められる。
逆に弦が左右に動く可能性があるので、余りに動くようであれば軽く溝切りしてやってもいい。
またサドル自体も、1-2弦用と5-6弦用はブリッジプレートに溝があるので左右に動いたりしないが、3-4弦用はフリーな状態なので、弦交換のときとか気を付ける必要がある。

また今度このタイプのサドル買っとこう。
鉄とかアルミとかもあるけど、なんかアルミ良さそうな気がする。

ピックガードのネジ

ネジをステンレス製に交換。
だって絶対錆びるやん。
錆びたネジ使いたないねん・・・。
転ばぬ先の杖。

コントロールプレート

元々のコントロールプレートが T1.2 とかで、軽くて柔らかくてなんか厭だったので、序でに新調したれと。
コレ何の金属やろう・・・。アルミのような亜鉛のような・・・鉄ではないなんか軽い謎の金属。
あと Telecaster にお馴染みの、セレクターをリアに入れるとボリュームと近過ぎて使い難いよ問題もある。
つうことで、Goldo (Hosco) の T1.6 (厚め) でセレクターとボリュームが若干離れたタイプのコントロールプレートを買う。
持った感じシッカリしてていい感じ。
やっぱこのくらいの強度は欲しい。
ピックアップセレクターの方も、ボリュームを気にせず使える。

無加工で取り付けられたらいいんだけど、ネジ穴の空け直しが必要。
本体取り付け用の穴間が 150mm で空いてるんだけど、Fender USA のは 148.5mm ぐらいなんで、穴位置が1.5mm 程ズレる。
なので一旦エンドピン側の穴をエポキシ (ハイクイック) で一旦埋めてネジ穴を空け直す必要があった。
ネジ穴埋め用のエポキシは、カチカチになるハイクイックよりホントはもうちょい靭性が高いヤツの方がいいんだけど、5分で固まるハイクイックだと仕事が早かったので。手抜き。
固まり始めからカチカチに固まり切るまでの丁度良い硬さの間にネジ穴を空け直すとエポキシの割れの心配が無い。余りお勧めしない Bad Know How。

電装系




ピックアップケーブル

ピックアップのケーブルは、元がリアは2本、フロントが3本の剥き出しケーブルだった。
これを両方2芯のシールドケーブルに交換。
キャビティに導電性塗料っぽい塗料が塗ってあったので、まあ剥き出しケーブルでもノイズ的にはそんなには変わらんと思うけど、一応お守りとしてシールドにしとく。
コイルのホットとコールドで芯線2本、シールドはフロントがカバー、リアは裏の銅板に接続。
フロントは4ポジションのピックアップセレクターに直で繋いで、セレクターを一番フロント側に倒したときにシリーズ配線になるように。
リアはトーンの push-pull スイッチに繋いで、pull のときにアウトオブフェイズになるように。

ピックアップセレクター

Fender ブランドのヤツ。OAK 製かね。
4ポジションのセレクターの中で一番安かったので。
操作感も結構カッチリしてて丁度良い重さで好印象。
リア、パラレル、フロント、シリーズの順で配線。
シリーズ配線は、あったらあったで結構使う。

ボリューム

私お好みの TOCOS の RV24YN20S の A250kΩ のヤツ。
一般的な CTS 等の Pot と較べて操作感が重めで、止めたいとこでバシッと止まる。
フルにしてもフルの状態でピタッと止まる。
あと壊れない。ガリも出ない。耐久性がめっちゃ良い。
全体抵抗や残留抵抗等についての個体差も少ない。
それでいて値段は CTS のより安い。
但しシャフトのバリエーションは無いので、ロングシャフトやスリップシャフトが必要な場合は CTS を使わざるを得ない。

最初 500kΩ のを付けてたんだけど、ハイがキツくてやっぱり 250kΩ のにした。

因みに元々のも 250kΩ でコンデンサに直列と並列で抵抗が入ってる Treble Bleed - Smooth Taper 入りだった。
直列が 20kΩ でその後にコンデンサと並列で 150kΩ が入ってて、コンデンサは多分 1000pF。
ちっちゃい表面実装基盤を Pot にはんだ付けしてある。合理的。

今回の改造では 1000pF のコンデンサと 22kΩ の抵抗を直列で繋いだタイプのハイパスを入れた。
これで大体、私のお気に入りの構成である 500kΩ に 510pF のハイパスを入れたのと似たような感じになる筈。
並列抵抗は無し。

そういや私の認識としては、ボリューム Pot に並列抵抗を入れるのが Smooth Taper であって、この抵抗に加えてハイパスコンデンサを入れたりするのは別概念だと思ってたんだけど、ネットの他の記事とかを見ると、ハイパスコンデンサ込み (所謂 Duncan タイプ) を Smooth Taper って言ってる人が多数派な気がする。
私の認識では Duncan タイプは Smooth Taper + ハイパス なんだけど。
私が間違っているのか・・・。

私はハイパスコンデンサ必須なんだけど、最近はコンデンサと抵抗を直列で入れる Kinman タイプってのをよくやる。
コンデンサの容量で大体どの辺りの周波数から通すかを決めて、直列抵抗でどのくらい通すかを決める感じで、ハイパスを入れる前から音のイメージがし易いし調整し易い。
あとボリュームで Fuzz の具合を調整する事が多いので、抵抗を並列で入れる Duncan タイプだと私には Fuzz が若干コントロールし辛くなる感じがするのであんまりやらない。
直列+並列も最近あんまりやらんかね。
シンプルにコンデンサのみか抵抗直列スタイルが多い気がする。

トーン

元々は Bourns の push-push スイッチが付いててミックス時シリーズ配線のスイッチになってたけど、これを Bourns の push-pull スイッチ付き A500kΩ のに交換した。
因みに 500kΩ なのは単にそれしか持ってなかったから。つうか以前 Mouser で買って大量に持ってる。
なんか push-push スイッチってワンタッチで操作できるのはいいんだけど壊れそうなのと、操作ミスで切り替えてしまいそうなんで一寸厭なんよね。

push-pull スイッチはリアのフェイズ切り替え用にした。
シリーズ、パラレル両方で、ミックス時にノブを引っ張るとアウトオブフェイズでボヘミアンラプソディ。

あと初めての試みとして、トーン回路を Greasebucket 回路にしてみた。
トーンを絞り切るぐらいのときに一寸ハイが残ってローが強調され過ぎず、あんまりムームーしないってヤツ。
Telecaster でムームーさせることもなかろうと思って入れてみた。
まあでも元々あんましトーン使わんしなあ。
でも Telecaster だと多分キンキンさせがちになりそうなので、アンプはキンキンセッティングでトーンで調整、みたいな感じで使うようになるかも知れん、と思って。
でも結局使わなさそう。

因みにコンデンサはハイパスも含めて東信のフィルムの赤いヤツ。
特に拘りは無い。

トーンが 500kΩ なので、ほんの少しハイ成分が強く残ってるような気がする。
今後気になるようであれば 470kΩ の抵抗を並列で入れても良い。
そうするとフルのときは 250kΩ の Pot を使ったのと大体同じことになる筈。

1点アース

デジタル回路が混ざってるでもなし、高速な信号/ノイズが走ってるでもなし、どっかがループしててなんか電波受信しちゃうでもなし、1点アースにしたところでどうなるものでもないけれど、なんか気持ち的に。
そして結局大して1点アースになってない。
でもまあできるだけグランド線はまとめた。
元々ボディの導電性塗料っぽいヤツにラグ留めしてあるので、そこにできるだけまとめるようにした。

ネック仕込み角

セットアップして弾いてみたら、なんかシャリシャリでショボい音。
弱い。タイト過ぎる。
Telecaster の形で Telecaster の部品使ってるんだから、もうちょい力強い音が出る筈。
と思って色々触ってみたんだけど、イマイチ良い結果が出なかった。
そういや元は micro tilt で若干ネックが浮いてたけど、それを嫌ってネックベタ付けにしてたな、と思い至る。
試しに micro tilt でネック仕込み角を付けてみたら弦高とか同じになるように設定しても結構音が変わったので、丁度良いところを探す。
結果、ほんの少しだけネックを浮かして仕込み角をつけてやったところが一番良かった。
多分シムだと 0.2mm ぐらいの感じ。
これが世に謂う「逆にシム入れた方が音良いぜ」説か。
或いは「ネック周りはビタビタより多少隙間あった方が音良いぜ」説の方かも。
タイト過ぎて Dead な響きのデタッチャブルネックのギターは、もしかしたらネック下にシムとか入れたら音良くなるかも。知らんけど。

確かにレスポールとかの TOM でも、ブリッジをポストにイモネジで固定するのとしないのとで結構音変わるしな。
せやねん。なんでもかんでも精度良くビシッと作ったら音良くなる訳やないねん・・・。

まあ実際の所はブリッジサドル辺りでの弦の角度とか、ブリッジサドルのブリッジプレートからの高さとかが変わるので、どちらかというとその辺の影響が一番でかい気がする。
Les Paul とかの TOM でテールピースを上げ下げするのと同じ効果が期待される。
micro tilt 使うとボディの鳴ってる感はやっぱ多少減るしな。

micro tilt だとネック固定ネジとの間でなんか変な力がネックにかかりそうで若干厭なので、そのうち手持ちの金属板とかでシムを作ろうかと。
慥かシム用の金属板を何種類か買ってあったと思う。
シムをネックのエンドギリギリに仕込むのではなく、ネックの幅で切ってネジ部に穴を空けてネジに絡むように入れれば、シム自体が動いちゃう問題もネジ締め込みとシムとの間でネックに変な力がかかる問題も起こらない筈。

トップロード

私の Telecaster Thinline は、トップロードの方が音が良い。
大抵の場合はトップロードの方が弦振動が大きく響く感じがするし、チューニングも安定し易いし弦も切れ難いのだけど、力強さとか硬さを感じるパリッと感は失われがちだし、弦が柔らかくなったような感覚で弦がピックに絡み付き易くなる。
Thinline の場合はトップロードのメリットの方が勝ってたんだけど、American Professional II では正直微妙なトコロでどちらとも言えない。
色々試してみた結果、現在のところ 0.011 のセットの Elixir Optiweb をトップロードで入れてる。
使い易い感じの音にしようとすると、こうなった。
けど 0.009 のセットを裏通しの方が Telecaster って感じの音なんで、そっちでもいいかも知れん。
悩ましいトコロ。


つうことで、現状はそんな感じ。
もうちょい弾き込んでもうちょい設定も熟れてくるともうちょい好い音が出せそうな気がする。

Fender Telecaster American Professional II を他の人にお勧めするかと言われると、正直 Fender Mexico 2本分の金を出すまでではないかなという気もしなくはない。
細かいところとかもなんかアメリカンだし。
悪くはないんだけど、まあどれかのスペックが刺さった人向けかね。

-----
Soundhouse
Fender Locking Tuners All Short Post
Fender Locking Tuners All Short Post
Fender 4-Position P.U. Selector
Fender 4-Position P.U. Selector
Goldo CPT2C
Goldo CPT2C
Montreux Compensated Brass Tele saddle set
Montreux Compensated Brass Tele saddle set